「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の制作には「Oculus Rift」が活躍! ILMxLABが映画制作におけるVRの活用例を披露 | ニコニコニュース

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の制作には「Oculus Rift」が活躍! ILMxLABが映画制作におけるVRの活用例を披露
4Gamer

 米国のロサンゼルスで開催されているOculus VR主催の開発者向けイベント「Oculus Connect 2」で,Lucasfilmのテクノロジー開発部門であるILM Experience Labを率いるRob Bredow(ロブ・ブレドウ)氏が,「The Force of Virtual Reality at Lucasfilm」(LucasFilmにおけるバーチャルリアリティの“フォース”)と題する講演を行った。映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の制作にも利用されているという映像制作ツール「V-Cast」が紹介された,セッションの模様をレポートしよう。

 2015年になってその存在が明らかになったILM Experience Lab(通称「ILMxLAB」もしくは「xLAB」,以下 ILMxLAB)は,LucasFilm傘下の特殊効果およびVFXスタジオであるIndustrial Light & Magic(以下,ILM)が最近になって立ち上げた研究機関で,Bredow氏も,2014年6月にSony Pictures Imageworksから移籍してきたばかりだ。


 ILMでは,2001年に公開された映画「A.I.」で,カメラが360度移動できる3D世界を映像制作に取り入れ,さらに,小さなスペースやセットの中でモーションキャプチャによるアニメーションを作成できる技術などを採用していたりするのだが,ILMxLABはそこからさらに一歩進んで,バーチャルリアリティを活かした映像制作を念頭に,研究開発を進めているようだ。

 そんなILMxLABが新たに開発したのが,「V-Cast」というiPad用ツールである。これは,映画制作用に作成された3Dグラフィックスによる世界を自由に移動しながら,良いアングルを見つけ出すためのもので,2015年末公開予定の映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」でも利用されたという。1本指で左右のパン,2本指でクレーンのような上下移動といった感じでカメラを操作し,フォーカスやカメラの位置,動きなどを記録しておくことができるという。

 Bredow氏によれば,V-Castにより,映像制作者は自分のビジョンをほかのメンバーと共有できるようになったたとのこと。現在ではさらにOculus VRの「Rift」にも対応し,ほかの人がiPadで操作しているカメラの動きをRiftで体験するといったことも可能になっているそうだ。

 今回紹介されたのは,惑星ジャク―の村で,何かのミッションのために動き回っているC-3POとR2-D2の2人をストームトゥルーパーの一団が捜索しているというシーン。最後にはAT-ATがのし歩き,やがてはボバ・フェットも登場するという展開になっているが,ここでユーザーはカメラを好きに移動させて,それぞれのキャラクターの視点から映像を見たり,好きなところでカメラを停めて角度を変えたりといったインタラクションを行えるようになっていた。

 ILMxLABは,このセッションに前後して,スター・ウォーズ/フォースの覚醒におけるV-Cast技術の活用の一端を示すデモをFacebookで公開した。走行するスピーダーバイクから自由に視点を移動させて,スター・ウォーズ/フォースの覚醒の舞台となる惑星ジャク―の風景を楽しめるムービーで,公開以降,とてつもない数のページビューを記録している。

 Bredow氏はセッション後の質問応答で,「ILMで開発された技術をコンシューマ化するのは我々の仕事の1つ」と発言していたので,今回のセッションで紹介されたツールが一般向けにリリースされる可能性もありそうだ。スター・ウォーズファンのみならず,幅広い層に響くキラーアプリとして注目されそうなので,ILMxLABの動向には今後も注目しておきたい。

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記事URL:http://www.4gamer.net/games/195/G019528/20150925051/
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・HARDWARE Rift

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