中国メディア・環球網は21日、中東呼吸器症候群(MERS)騒動により激減していた訪韓中国人観光客が回復しており、韓国国内のデパートや免税店の売り上げが騒動発生前の水準にまで戻ったとする韓国・聯合ニュースの21日付報道を伝えた。
記事は、ロッテデパートが20日に発表したデータで、今月1-17日における本店の対中国人売上額が前年同期比で43%増加し、増加率がMERS騒動発生前の1-5月の52%に近づくまでに回復したと紹介。同デパートでは6-7月に売り上げが31%の激減を記録したが、この1カ月あまりで中国人観光客の購入が大きく増えたとした。
また、本店の対中国人売り上げが6月には前年同期比40%、7月には50%の減少となったロッテ免税店でも、9月第1週の売り上げが同15.6%増、第2週が同20%増を記録したこと、ロッテマートソウル駅店でも9月の中国人向け販売額が同58.1%の大幅増になったことを伝えた。
さらに、同国の流通業界が9月下旬から10月上旬にかけての中秋節・国慶節連休期間に中国人観光客による韓国での消費がさらに増加すると見込み、大々的なキャンペーンを展開していると紹介。その例として、ロッテデパートでは10月末までに来店した中国人客のなかから1人に約5000万ウォン(約510万円)の工芸品を、8888人に電子炊飯器や携帯電話などをプレゼントするイベントを企画していることなどを挙げた。
いわば「生命線」ともいえる中国人観光客による消費が回復して、韓国の観光業界や流通業界は胸をなで下ろしていることだろう。しかし、韓国の観光業界には「中国人観光客はショッピングが目当てで観光をしない」という問題が存在する。再び増えつつある中国人観光客を強く引き付けるような、「ショッピングだけじゃない韓国旅行」の魅力を打ち出す必要性に迫られている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)