シリアの難民問題が深刻化していることについて、中国メディアの観察者は21日、「国外のインターネット上では、難民問題を解決する方法の1つとして中国のゴーストタウンを提供すること」が提案されたと報じた。
記事は、ロイター通信の報道を引用し、欧州に大量の難民が突然流れこむ一方で、中国には誰も住んでいないゴーストタウンが数多く存在することを伝え、コラムニストのWade Shepard氏が「多くの読者から、中国のゴーストタウンを難民に与えれば問題はすべて解決するのではないかというコメントが寄せられている」と述べたことを紹介した。
続けて、エジプト人の富豪であるナギーブ・サウィリス氏が「難民の人びとのために、ギリシャの島を購入する」計画を発表していることに対し、「中国のゴーストタウンを難民の人びとに与えるという案はサウィリス氏の計画より驚くべき内容」とする一方、ツイッターなどのソーシャルメディア上では「中国のゴーストタウンを難民問題の解決に活用する」という案について盛り上がりを見せていると報じた。
また記事は、中国には確かに多くのゴーストタウンが存在すると指摘する一方で、シリアの難民を中国のゴーストタウンに住まわせるという案はあまり現実的ではないと指摘。難民問題は住居に対する単純な需給問題というわけではないとし、多くの難民を中国まで移動させるのは政治的にも大きな問題がつきまとうと論じた。
報道のとおり、中国には各地にゴーストタウンが存在する。あまりの多さに、中国ネット上では「鬼城(ゴーストタウン)ランキングトップ50」なるものまで存在するが、ゴーストタウンといっても確かに中国の場合は居住者がいないだけで、ゴーストタウンにあるマンションなどの大半は投資目的などで購入され、各戸ごとに所有者が存在するため、中国のゴーストタウンで難民を受け入れるのは政治的にも、商業的にも難しいことは言うまでもない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)