今日のパリは、空気がきれいですこと(マリー・アントワネット風)。
車道を封鎖する歩行者天国的なイベントは、世界各地で行われています。コロンビアのボゴタで行われている有名なイベントは、80マイル(128km)に渡って道路を封鎖する、とても大がかりなもの。しかし、9月にパリで計画されているのは、中心部のかなり広い範囲に丸1日車を入れないというもので、これまでにない大規模なイベントになりそうです。
「車なしの日(La Journeé sans Voiture)」と名づけられたこのイベントは、9月27日(日)の11時から18時まで、パリの中心部やエッフェル塔、2つの大きな公園を含むエリアで車の進入を制限するものです(あ、もちろん、緊急時は除外されているのでご安心を)。
セーヌ川に沿って歩いたり自転車に乗ったりするのにいい1日になりそうですが、この「車なしの日」は、パリの大気汚染についてメッセージを発信するという目的も持っています。古いディーゼル車やつらい夏の暑さのせいで、パリの大気汚染はあの北京よりもひどい日があるのだそうです。
パリ市長のアン・イダルゴ氏は就任以来、交通機関や環境の改善、そして公共スペースの活用に関し、革新的な政策を展開しています。その政策は、都市の空き地を活性化したり、サステナブルな建築を後押ししたり、徒歩・バイク通勤を推奨したり…といった具合。そんな中でも、車問題にはかなり悩まされているパリ。昨年、車の交通をナンバープレートの偶数・奇数によって規制しようとして、結局1日だけでその規制をとりやめてしまったのを覚えている人もいることでしょう。
今回は1日限定ですが、この取り組みは詩的でシンボリック。今後もパリジャンから車を引き離すためにいろいろなことが行われるでしょう。特定の日に特定の車を禁止するのではなく、車に乗らない日をお休みにしてしまうなんていうのはどうでしょうね? ヨーロッパではマドリード、ダブリン、ハンブルグといった都市も中心部で恒常的に車を禁止する方法を検討してますし、これまで歴史的に車を許可したことがない小さな街もあります。こんなかんじでパリも未来永劫、車を禁止したかったら、今回はいいお試しイベントになるかもしれません。そしてもちろん今回の取り組みは、12月にパリで開催されるCOP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)に先駆けた圧力にもなるでしょうね。
image by La Journeé sans Voiture
Alissa Walker- Gizmodo US[原文]
(conejo)