NASAが火星の地表に液状の水を発見 | TechCrunch Japan

NASAが開いた火星に関するプレスカンファレンスで、「特定の状況下において」火星に液体の水を発見したと発表した。

「火星はこれまで私たちが考えていたような乾いた不毛の惑星ではありませんでした」とオンラインでストリーム配信した今日のプレスカンファレンスで伝えた。

これまで火星にH2Oは氷の状態で存在していることは知られていたが、火星の大気層が薄いため、液体の水は存在しないだろうと研究者は考えていた。今回の研究では、分光器の技術を使用し、火星の地表から発見した暗い色の水脈(NASAがRecurring Slope Lineae、あるいはRSLと呼ぶ)の化学成分を分析した。この物質は、地表温度の変動により変化することが知られていて、この物質が水ではないかという仮説へとつながった。

先週後半、NASAはこれまでの赤い惑星の探索から得られた「重大な科学的な発見」と銘打ち発表の予定を出した。NASAは、宇宙探索に対する民衆の関心を維持するというソーシャルメディア上のミッションも継続して続けているようだ。

NASAは2012年8月、火星にCuriosity探査車を着陸させた。この探査車は今でも探索を続けている。NASAは2012年の終盤にミッション期間を2年としたが、その期間を延長している。2004年に火星の地表に着陸したOpportunityも探索を続けている。現在、マラソンバレーと呼ばれる地域の地表を調査している。

Curiosityのミッションでは、火星の土壌から過塩素酸カルシウムを検出し、メタンガスの噴出も発見した。またCuriosityは、液体が流れていたと思われる河川の跡を走行し、火星の岩を砕いたところ粘土を掘り起こした。これも、かつてこの惑星に水のある環境が存在したことを示唆するものだ。

探査車はその他にも放射線レベルを測定し、人間がこの惑星で過ごすことができる時間を算出するのに用いられている。

今日NASAの科学者は、火星の土に過塩素酸塩があることで、火星の地表にある液体の水の安定性が高まると伝えた。つまり過塩素酸塩があることで、水が惑星の温度が下がって凍ったり、薄い大気層により蒸発したりせずに液体の状態をより長く留めることができるという。これはさらに火星の水は純水ではなく、ブライン水(塩を含む)ということを示している。

この水で生命が発達できるかについて、まだこの段階では「明確ではない」とNASAは付け加えた。しかし液状の水があることは、生命の探索にとって強力な材料になる。

「地球を見ると、水は生命にとって必要不可欠なものだという印象を私は受けます。この発見はとてもエキサイティングです。地球以外に生命は存在するのかという質問に私たちはまだ答えられていません。水を発見することは重要な要素です。それが見つかったことで、火星の徹底的に調査するのに適した場所を見つけた可能性が高まったと言えるでしょう」とNASAの惑星科学のディレクターを務めるJim Greenは言う。

RSLの場所を調査し、生命を探索するのは難しい課題だとNASAは言う。何故なら、このような水脈は急な勾配のあるところでしか発見できていないからだ。そこに生命があるかどうかを探索するには、「宇宙ロボット工学の領域の問題で、そこに向かうことができる専門のロボットが必要」と言う。機体はさらに、地球の微生物を持ち込まないように厳重に殺菌しなければならない。今の段階で、RSLのどこから液体が発見されたかは明示していない。

火星に液体の水があることは、今後人がこの惑星を探索するミッションを行う際にも役立つだろうとNASAは伝えている。

「この謎を解くのに、何年にも渡って複数台の宇宙船を送り込むことが必要でした。この冷たい、砂漠の惑星の地表に液体の水があることをようやく発見できました」とNASAのワシントン本部で火星探索プログラムのリードサイエンティストを務めるMichael Meyerは言う。「火星について探索するほど、生命がどのように発展するのか、そして今後生命の一端を担う材料がどこにあるのかということについて学ぶことができるでしょう」。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter