土星にはエンケラドゥスという名前の小さな衛星がありますが、昔から科学者たちはもしかしたらその地表面の下に水が存在するかもしれないと考えてきました。しかしNASAのカッシーニ探査機から送られてきた新しいデータによるともっと面白い現象が推測されることが分かりました。水が地下に存在するどころか、なんと大量の水が地下で、星全体を覆っているということです。
観測によると、エンケラドゥスの軌道は少しグラついているそうです。地表である氷の層と、岩石でできた星の中心が一体となって凍っていないことで、土星の周りを回るにつれてグラつきが生まれたのではないかということです。つまり、星の中心と表面の氷の間に星全体を覆う水のレイヤーがあるということですね...地下に広がる海...ロマンがあるような、怖いような。
エンケラドゥスのグラつきを計算するために、研究者たちは7年分に渡る画像を調査したそうです。クレーターなどの地形の特徴をマッピングし、エンケラドゥスの軌道が描かれました。
SETI研究所でカッシーニ計画に参加しているMatthew Tiscarenoさんによると「もし表面と中心部が固く結びついていたとしたら、中心部がちゃんと自重を与えるので、観察されているものよりもはるかに小さなグラつきになっていただろう」とのこと。
エンケラドゥスの中心部はケイ酸塩、リン、硫黄など生命を支えるために必要なものが含まれています。それに合わせて海も存在しているとしたら、何らかの生物が存在する可能性があるということです。
source: NASA
Chris Mills - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)