微生物だっているかも!
先週、NASAが週明け早々に「火星の謎が解けた」ことについて記者会見すると発表したので、いろんな憶測が飛び交ってました。が、ついに9月28日(米国時間)、真相がわかりました。なんと火星に今も、水があるらしいんです。この発見によって、火星における生命体の存在がより真実味を帯びてきます。
「水は我々の知るところの生命にとって不可欠である」、学術誌Nature Geoscienceに発表された論文にはこう書かれています。「火星における液体の水の存在には、宇宙生物学的・地質学的・水文学的意味があり、将来の人間による探査に影響を与える可能性がある」。
この研究はジョージア工科大学の地形学者、Lujendra Ojha氏が率いたものです。彼らは火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが収集したデータを元に、火星のクレーターの壁沿いに水が周期的に流れている証拠を示しました。
マーズ・リコネッサンス・オービターのカメラ、HiRISEが集めた画像は、「周期的傾斜線(recurrent slope lineae)」を示しています。それは火星の傾斜地にある何かが流れた跡のような黒っぽい筋で、季節ごとに出現しては薄れ、火星の定義で1年ごとに複数年にわたって現れているらしいんです。
これだけでも流れる水の存在が示唆されていますが、さらにスペクトルのデータが強力な裏付けになります。それはリコネッサンス・オービターのCompact Reconnaissance Imaging Spectrometer(CRISM)が集めたデータで、水の流れらしき部分から、水分を含む過塩素酸塩が発見されたんです。過塩素酸塩(分子構造に水を含む)は蒸発した海水の有力な証拠となります。おそらくは地中の貯水層に由来している可能性があるそうです。
「何かがこの塩に水分を与えており、季節とともに現れたり消えたりしているのはこの筋のようである」とOjha氏は発表文書で述べています。「つまり火星の水は純水であるというより、塩っぽいということだ。塩は凝固点を下げるので、説明がつく。すなわち、仮にRSLが地表より温度の低い地下にあっても、塩分を含む水は液体のまま維持され、火星の傾斜地を流れていくことができる」。
かつて火星はもっと温かく湿度が高かった、という説はよく支持されています。さらには全体が海に覆われていた可能性もあります。でも現在の寒くて乾燥した火星表面に液体の水が存在しうるかどうかについては、研究者の間でも長年議論になってきました。でも今回の研究で、現在の火星にも液体の水がありそうだとわかったんです。水があるということは、微生物という生命体が存在する可能性だってがぜん高まってきます。
NASAのこの発表タイミングは、NASAが制作協力した映画「オデッセイ」の公開に合わせてきたものと見られます。そしてその先、2030年代を目標に有人火星ミッションが計画されていて、NASAではそれへの期待を高めようとあらゆる手を尽くしています。
たしかに、地球外生命体がいるかも!というワクワク感にかなうものはありませんね。
source: Nature Geoscience
Maddie Stone-Gizmodo US[原文]
(miho)