好き嫌いくっきり分かれます。
中秋の名月、スーパームーンと続いて、夜空を見上げて写真を撮った人も多かったのではないでしょうか。撮った写真をSNSに投稿してね。ツイッターにポストして#supermoonなんてハッシュタグつけてね。…あれ? 気づきました? #supermoonのハッシュタグの後ろに赤い丸がでてきたことに。あの赤丸、スーパームーンを表わす絵文字なのです。絵文字は絵文字でも、ツイッター独自の絵文字で「ハッシュフラッグ」というやつです。
ハッシュフラッグは、比較的新しい機能です。すべてのハッシュタグの後ろに絵文字がつくのではなく、特定の一部のハッシュタグだけ、選ばれたハッシュタグにだけくっついてきます。それも限られた期間だけ、一時的に。話題になる時期だけ、運営側がそのハッシュタグのハッシュフラッグ機能をオンするわけです。ハッシュフラッグがついてくるタグをツイートすると、有無をいわさず絵文字が表示されます。消すことはできません。そして、このハッシュフラッグ絵文字が表示されるのは、iPhoneのツイッター公式アプリとTwitterをウェブ観覧したときのみ。
「ハッシュフラッグ機能、最初はかわいくていいね!と思っていましたが、なんか最近ウザくないですか?」そう問いかけるのは米GizmodoのAlissa Walker記者。これどういうさじ加減なんだよ、と不思議がっています。
まだいいね!と思っていたころ。米国で同性婚が合法されたときのハッシュフラッグ。
Walker記者が、ハッシュフラッグの存在が気になり始めたごく最近のもの。米国にローマ法王が訪れてハッシュフラッグ祭に。(今は法王が米国から去ったので、ハッシュフラッグはすでにオフに)国連総会のハッシュフラッグまで登場。
現在オン状態にあるハッシュフラッグあれこれ。
今どんなハッシュフラッグがあるのかをチェックするならば、 @Hashflaglistのアカウントをフォローするのが1番です。最新情報がここに。NFLシーズンなので、その関連ものが盛りだくさん。
Walker記者が「ウザくね?」と思う理由はいくつかあります。まず、1つ目は、せっかくのテキストベースのミニマルなポストの美しさが損なわれるということ。嫌いじゃないけど、多くの人が使うと一気にうっとおしくなるわけです。
2つ目は、ハッシュタグの意味を運営側が勝手に限定してしまうということ。そのハッシュタグが何を意味するか、ビジュアルを与えることでそれが限られてしまいます。ハッシュタグは絵文字ではありません。だからこそ、使う人が、それぞれそのテキストの裏にイメージを持って使うものなのではないでしょうか。
たとえば、今オン状態にある#FaceMaskというハッシュタグの後ろには、NFLのマスクのハッシュフラッグがつきます。が、#FaceMaskというハッシュタグは必ずしも、NFLの話題だけとは限りませんよね。美容に関するツイートの場合、なんだかヘンテコなことになります。
何よりもWalker記者が危惧しているのは、ハッシュフラッグ化される基準です。#supermoonは、わかります、空の上のことですから。スポーツもまあわかります。でも、#ShareaCokeはどうでしょう。コカコーラは、初のハッシュフラッグ対応ブランドです。そう、これは広告ツールになるのですね。
スターウォーズ関連もありました。
ビジュアルの可愛さから、つい使いたくなった人もいるでしょう。ハッシュフラッグは、人々のツイート=会話の中に、しれーっと広告を入れこめるなんとも巧妙な機能なのです。また、ハッシュフラッグ絵文字をつけたいばかりにハッシュタグをいれこめば、そのタグがトレンド化する可能性もあがりますね。ユーザーがツイートすることでトレンド化するのではなく、運営側がハッシュフラッグを作ることでツイートさせたくしているのです。
なぜ#supermoonはあるのに、#plutoFlybyはないのでしょう。なぜ#VMAs(MTVビデオミュージックアワード)はあるのに、#Emmysはないのでしょう。なぜ、アメリカンフットボールのハッシュフラッグはあんなに大量にあるのでしょう。運営の持つ力が、ツイート内部でまで大きく浸透してくるのでは、それをWalker記者は危惧しているのです。もちろん広告あってこその無料サービスなのは百も承知です。しかし、個人のツイート内部に意図せず広告がはいりこむのはウザいよね、これはそういう話です。
Alissa Walker - Gizmodo US[原文]
(そうこ)