生物兵器からの防衛モードも装備。ファルコンウィングの爆速SUVテスラ「モデルX」発売

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マヤ歴の人類滅亡予言があった2012年から来る、来ると騒がれていたテスラSUVがついに発売! 9月末にカリフォルニア州フリーモントのテスラ工場で開かれた発売イベントから最新情報をまとめてお伝えします。

発売前にわかっていたこと


モデルXは、電気自動車の7人乗りSUVです。モデルSの超速「Ludicrous」モードを実現したデュアルモーター搭載で、「Ludicrous」モードをONにすると、0-60マイル(約0-96km/h)加速3.2秒です。

…と言われてもなんのことやらかもですが、これ普通のセダンでも爆速ですよ。ましてやSUVでは尋常じゃないスピード。あのフェラーリの直噴4.5LでV8エンジンの458スパイダー、ランボルギーニ・ガラードのLP570-4、マクラーレンのMP4-12Cに比べてもまだ0.1秒速いんですからねぇ…。余裕で世界最速SUV&クロスオーバー車ということになります。

後部座席には、永遠の憧れであるデロリアン風ファルコンウィング。これはトップがヒンジになっていて、狭いスペースでも開くのが特徴です。 走行距離は250マイル(402km)と257マイル(414km) の2バージョン。

シグネチャー・エディションは予約注文の段階で、かなり前に完売しています。13万ドル(約1,560万円)のSUVに我も我もの大行列!

イーロン・マスク氏が新たに発表したこと


イーロン氏が言うにはモデルXは2バージョンあり、どちらも安全基準5段階の全カテゴリで5評価なのだとか。「全カテゴリで5評価をとった世界初のSUV」であり、「ハイスピードで事故っても怪我する確率はたったの6.5%だからね」とグラフ見せながら説明してました。

その安全の秘密は、車のデザインにあります。そもそもガソリン車みたいに前方にエンジンを搭載していないので、従来の型にとらわれないでいろんなことができるのです。たとえば、フロントの衝撃吸収ゾーンは今までよりずっと広くとれたし、横からのポール側面衝突試験でも優れた強度が確認されました。重心が低い(バッテリーが重い!)ので横転リスクは少なく、仮に横転してもまたごろんと「起き上がる」そうです。

また環境にも配慮しており、高性能なソフトは必要とせず、巨大なHEPAフィルタを使って排気の清浄します。

また、どっかから細菌兵器が飛んできて世界が終わるときには「バイオウェポン・ディフェンス・モード(生物兵器防衛モード)」という中二病なボタンを押せば、しばらくは走っていられます。


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中も、これ以上スマートになりようがないぐらいスマート。ドアには「auto-present」なる機能がついており、車に近寄ると勝手にドアが開くんです

ワイパーは無駄に大きく、SUVで子どもを保育園に迎えに行くだけなのに「あたかもヘリのコックピットにいるかのような」スリルが味わえます。シートは3列なんですが、中列の2席は別々に前や後ろに動かせます。


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こんなに狭い駐車場でも開く!


ファルコンウィングも斜めに広がらないので、意外と場所はとりません。夢を満たしつつ、実用性にも配慮してます。

実用性と言えば、サイドには超音波センサーがついており、ドアを開けるスペースがどれぐらいあるか計算できるんです。これが普通の超音波センサーじゃなくて、通常なら必要な黒いプラスチックの点々の感知部分が一切不要なんですね。それで金属を通して感知できるなんて、どんなブラックマジックなんだよって思っちゃいますよね。


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7人+荷物を積んで尚且つ、最大5,000ポンド(2.27トン)まで牽引できます。もちろん走行距離は減るけれど。自転車4台、あるいはスキーやスノーボードを6セットまで積めるカスタムメイドのヒッチも用意しました。

モデルXは「90D」($132,000=約1,583万円、走行257マイル=414km、0-60MPH加速約3.7秒)と、「P90D」($142,000=約1,703万円、走行250マイル=402km、0-60MPH加速約3.2秒)の2バージョンにて発売。発売当夜のうちにキーをもらったカスタマーはたったの6人で、今から注文しても配達まで何カ月、何年かかるかってな状態です。

イーロン・マスク氏のモデルXに乗ってみたぞ!


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さっそく発表後、ステージにのぼってイーロン氏所有のモデルX(という話でした)に乗ってみました! すごい人だかりで、運転なんてとてもできる雰囲気じゃなかったけど、触ってわかったことを少しメモしておきます。


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荷物を積むスペースは巨大。トランクは床まで深くとってあって、バックシートを倒さなくても充分に入る感じでした。倒せばもっとだけど。前のシートは天井が高くて、後ろのシートは足元がゆったりしてます。


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ファルコンウィングは頭をぶつけるんじゃないかと心配でしたが、思ったより高さがあり、身長183cmの僕が立ってもまだその上にありました。ただ問題は一番後ろの席で、こっちは…。


…頭がリアウィンドウにごっつんこ。でした。前の天井にも出っ張りがあって、急ブレーキかけるとおでこが当たっちゃいます。ここはチビっこ用だなあ。


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とは言え、シートは快適そのもので、足は一番後ろの列でも中列でもゆっくり伸ばせます。ただこの背もたれの後ろ側がプラスティックなのはちょっといただけませんね。膝が当たると、固くて。雑誌を入れるポケットもないし、指紋がベトベトで見た目もね…。

まあ、不満と言ってもそれぐらいで、全体的な印象はかなりいいです。上が全部ガラス張りなのも最高で、宇宙船に乗ってるみたい。ああ、欲しいなあ。買えないけど。でも欲しい。


Brent Rose and Chris Mills - Gizmodo US[原文
(satomi)