景況感3期ぶり悪化=大企業製造業、中国減速響く―日銀短観 | ニコニコニュース

 日銀が1日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、代表的指標の大企業製造業でプラス12と前回6月調査を3ポイント下回り、3四半期ぶりに悪化した。中国をはじめとする新興国経済の減速が響き、「生産用機械」や「電気機械」などを中心に企業心理が冷え込んだ。

 業況判断指数は、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を差し引いた指標。

 機械関連以外の業種では、中国の供給過剰で鋼材価格の下落圧力を受けている「鉄鋼」や、油圧ショベルなどが低調だった「造船・重機等」のDIが悪化。「自動車」はトラック部品などの堅調で3ポイント改善した。

 一方、大企業非製造業のDIは2ポイント上昇のプラス25と改善し、1991年11月以来約24年ぶりの高水準となった。訪日外国人旅行者の増加による「宿泊・飲食サービス」や「小売り」の好調が寄与したほか、都心部のオフィス需要増加で「建設」や「不動産」も改善した。

 中小企業のDIは、製造業が横ばいの0、非製造業が1ポイント悪化のプラス3だった。

 3カ月後の見通しは、大企業製造業がプラス10、大企業非製造業がプラス19といずれも現状より悪化する予想。新興国経済や世界的株安が続く不安定な金融・資本市場に対する先行き不透明感が強く、9月の景況感が改善した非製造業を含め幅広い業種で慎重な見方が示された。

 15年度の設備投資計画は、大企業全産業で前年度比10.9%増と、前回調査から上方修正された。先行き不透明感は強まっているものの、高水準の企業収益を背景に、引き続き国内の設備更新や能力増強投資への意欲が示された。

 また大企業製造業の2015年度の想定為替レートは1ドル=117円39銭で、9月調査では03年度以来の円安水準となった。