コンピューターを越えちゃうコンピューターってなんでしょう?

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現在のコンピューターをはるかにしのぐ演算能力を持ったコンピューターが存在するの、ご存知でしたでしょうか? 

その名を「量子コンピューター」と言います。

その実力は「何千年もかかるような複雑で難解な計算をわずか数時間で解いてしまうというほどで、医薬品開発のシミュレーションや暗号化の研究などの分野でその能力が発揮される」と、「無限大(mugendai)」で紹介されています。

現在のコンピューターは、「情報を0と1のビット単位の組み合わせで表し、その情報を1回につき1組、処理していきます。たとえば4ビットの処理ができるコンピューターであれば、1回について、0か1の2通りの4乗=2の4乗=16通り(0000から1111までの16通り)の組み合わせのうち、いずれか1組を処理」します。

一方の量子コンピューターには0と1のほかに、0でもあり1でもある「重ね合わせの状態」が存在します。つまり「0000」という状態と「1111」という状態が、別々ではなく同時に存在するということになるそうなんです。

この同時に存在するのが量子力学のキモ。これにより現在のコンピューターとは比べ物にならないくらい高速の処理が可能になります。

でもこの量子コンピューター、熱や電磁放射によって引き起こされる、計算過程でのエラーを検出しそれを修正する仕組みを構築することが課題の1つでした。

それを解決したのがIBMの科学者チーム。保持しているデータの0と1の情報が反転してしまう「ビットフリップ」と、重ね合わせ状態でエラーが起こる「位相テロップ」という、どんな量子コンピューターでも発生する、この2つのエラーの同時検出に成功し、約四分の一インチ四方の基盤上に、量子ビットを2×2の正方形に乗せた回路も実証しました。

今回の「無限大(mugendai)」を読んでいると、新薬新素材の開発は、すぐそこにある、そんな気がしてきました。


photo: Thinkstock / Getty Images

source: 無限大(mugendai)

(ホシデトモタカ)