神奈川大(横浜市)は29日、理学部の菅原正教授(物理有機化学)のグループが、繰り返し分裂し増殖できる新しい人工細胞の構築に成功したと発表した。菅原教授は「細胞が何世代もできる仕組みが作り出されたことは、どのように生命が誕生したのかを知る手掛かりになる」としている。

 研究グループは英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズで論文を公表した。

 菅原教授らは、2011年に人工の化学物質を使って構築した人工細胞から「子世代」を自己増殖させることに成功したが、増殖の際にDNAの原料物質を使い切ってしまうため、再び増殖させることができなかった。