もう10年ほど運営しているSNSを活性化するため、Facebookは一日に40億回視聴されるユーザープロフィールに5つの大幅な変更を行う。
これらの機能は今日から一部のユーザーから検証を行い、利用可能となる。
これらの変更は視覚的にユーザーの興味を引き、Facebookにずっとユーザーを惹き付けることができるだろう。Twitterといった他のSNSがFacebookと同じように自動再生の動画の掲載を可能にしたこと、またSnapchatがアニメーション動画のセルフィーが撮影できるレンズ機能を搭載しプロフィールにGIFを掲載できるようにしたことで、Facebookも画像機能の装備合戦で負けないためにさらに前に出なくてはならなくなった。
それと同時にFacebookは、ユーザーのウェブ上の拠点として、プロフィールの存在感を高めたい考えだ。Snapchatにはプロフィールと呼べるほどしっかりしたものはなく、Twitterは基本的には最新のツイートが表示されているだけだ。もし、Facebookがユーザーに自己表現できるようなプロフィールのカスタマイズ機能を追加するなら、ユーザーがプロフィール画面を他にもリンクし、トラフィックを呼ぶこむようになるかもしれない。
Facebookの新しいプロフィールを担当するプロジェクトマネージャーのAigerim Shormanは、このプロフィールは「ユーザーの人生で起きていることや現時点でユーザーが重要だと思うことを表現すること」に焦点を当てたデザインであるという。最新のFacebookの投稿は、自己紹介やユーザーの写真ほどユーザーの個性を表現するものではない。そこでFacebookはそれらをタイムラインの上に表示することにした。
また、自己紹介を前面に出し、中央に配置することで、ユーザーはそれらを最新の情報に更新するよう促すことができるだろう。これはFacebookの広告エンジンを動かすのに重要な要素だ。今回と同じように、Facebookが行った2010年のウェブプロフィールの刷新では、ユーザーから大量のデータを収集することに成功した。ユーザーがどこに住み、どこの学校を卒業し、どこで働いているかの情報は、Facebookの広告ターゲティングを加速した。
新機能をそれぞれ見ていこう:
近々、プロフィールの写真をクリックするとプロフィール動画をアップロードすることができるようになる。録画ボタンをタップすると、最大7秒まで音声付きの動画が撮影できる。プロフィールの動画は音声のない状態(クリックすると音声が流れる)で自動でループ再生し、動画をアップロードしたという投稿がフィードに流れる。他の場所、例えばニュースフィードの投稿に表示される小さなサムネイル画像は、ユーザーが選択した静止画のカバー画像が適用される。
「今年の前半、私たちはブレインストーミングを行っていました。たまに良いアイディアが見つかります」とShormanは言う。「デザイナーの1人がエンジニアのFacebook At Workの画面を見るよう、私を呼びました。彼のプロフィール画像は動いていました。これは、自己表現をするのに格好の方法だと思いました。プロフィール画像に命が吹きこまれていたのですから。その人をより知ることができます。そこからインスピレーションを受け、プロフィールに動画を使えるオプションを開発しました」。彼女はSnapchatが7月のローンチしたプロフールにGIFを設定できる機能は、この機能の開発において話題に登らなかったと話す。
動画にある例では、Facebookの従業員が帽子を頭に乗せたり、風を顔に当たる瞬間やゆっくり微笑む瞬間を撮影している。プロフィール動画はハリーポッターに登場する写真が突然動きだす新聞のようだ。Facebookはユーザーから多くのクリエイティブな発想を引き出すことだろう。
次の大きな機能は、上部のプロフィールの部分に最大5枚まで注目写真を選択できる機能だ。これは、友達申請を送ろうとしている人や出会ったばかりの人が、その人がどのような人かを伝わりやすくするものだ。ユーザーは、仕事が終わった後に行っていることや、ペットの写真や他に撮影したセルフィーなどを掲載することができる。Tinderのプロフィールにある補足的な写真だと思えば分かりやすいかもしれない。メインのプロフィール写真ではないが、相手がどのような人かを知るのに役立つだろう。
数週間前にFacebookが検証しているところが見つかった期間限定のプロフィール写真を設定する機能の公式な展開が始まった。これはプロフィール写真を選択すると、数時間、数日、数週間経過した後に以前の写真に戻る機能だ。例えば、同性婚を支持するために2600万人がプロフィール写真をレインボーカラーに設定した時のように、何かを応援している時に便利な機能である。Facebookはプロフィール画像にフィルターをかけるためのちょっとしたツールも提供している。
Facebookはプロフィールページの上部にある基本データの並びにプライバシー設定を管理できる機能を追加した。公開に設定した項目は基本データのページの中ではなく、プロフィール写真の直ぐ下に表示されるようになる。また、新しく設置された100文字内の自己紹介欄には経歴などの説明を載せることができる。その箇所を公開に設定しておくことで、他の人があなたと友達になるかどうかを決める材料となるだろう。
ウェブ画面ような左寄せのプロフィールのレイアウトをそのままモバイルにに適応させるのではなく、Facebookはモバイルファーストのデザインを構築した。写真や動画が大きく表示され、画面の中央に配置している。友人や写真の詳細情報を載せた小さなパネルを出すのではなく、Facebookはプロフィール写真の下でタイムラインの上の大きなセクションをプロフィールに割いている。
ひと目で画面が美しく整っていることが分かる。事実、それがデザインチームの達成すべき唯一のタスクだった。しかし、2010年の彼らがウェブのプロフィールと刷新した時のように、それがFacebookのビジネスにもたらす影響は計り知れない。
多くの人がプロフィールを訪問するほど、それを見た人も自分のプロフィールを更新しようと思うだろう。経歴情報がプロフィールの上部にあり、簡単に見られるようになるほど、ユーザーに現在の肩書などの情報を更新するよう働きかけることにつながる。それはFacebookがより正確にユーザーをターゲットすることにつながり、例えば「ソフトウェアエンジニア」向けや「サンフランシスコ在住」の人向けの広告が打ちやすくなる。
Facebookのビジネスと共にユーザー体験の向上が合致する賢い方法だ。ユーザーは他の人のプロフィールを見て、その人がより分かるようになる。シェアしたニュース記事や週末の投稿はプロフィール動画、注目写真や自己紹介文ほどユーザーについて語っていないだろう。それらを一番上に配置することで友人、そして広告主にユーザーのことをより深く理解することにつながる。
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