しかし、なぜ妻は夫のマイナポータルを覗くことができたのか。
ポータルを利用する際は、「個人番号カードに格納された電子情報とパスワードを組み合わせて確認する」ことになっている。
つまり、マイナンバーの数字とパスワードが必要なのだ。
ただ、同じ屋根の下に住む夫婦であれば、夫のマイナンバーの数字はわかるだろう。
一方、パスワードを知るのは難しいと思われるが、多くの人がネットなどで利用しているパスワードはたいてい決まっている
(西暦の生年月日の後にローマ字で名前、など)。もし夫のそれを把握できていれば、
夫のマイナポータルに侵入することなどいともたやすいことなのだ。
ということで、夫のマル秘情報は妻に筒抜け。将来的にクレジットカードの利用履歴まで残るようになれば、
例えば、毎月数万円もキャバクラに使っていた、といったことが簡単に露呈してしまうかもしれない。
夫が浮気したりキャバ嬢に入れ込んだりといったことが発覚するのは現在は主にスマホの履歴だが、
今後はマイナンバーやマイナポータルの「動かぬ証拠」によって夫がつるし上げを食らうことも増えそうだ。
他にも……。
「結婚して、夫のマイナポータルを見て初めて、400万円もの借金があることを知った」
「夫の実家に嫁入りしたが、義父のマイナンバー情報で大量の借金があることが判明。
自己破産するのは時間の問題。嫁いだ先の実家は、借金の抵当に入っていて……」
といった事態も巻き起こるかもしれない。
もちろん女性(妻)もうかうかしていられない。逆に、妻のマイナポータルを夫が見て、
“不正”が発覚するケースも続出するのではないか。
今後、食料品の消費税の還付を受けるためにマイナンバーのカードを使うので、
どこで何を買ったのか全部履歴が残ることになる。それで、妻がほぼ毎日シュークリームを買って、
ひとりでこそこそ食べていたことが分かったり(肥満の理由も判明)、食費は月5万円だと聞いていたのに、
実際は4万円くらいしか使っておらず、残りの1万円はへそくりしていたことが発覚したり。
さらに、妻の勤務履歴にあった学生時代のアルバイト先企業の名前をネットで調べたら、
なんとキャバクラで、学生時代の4年の間に年収が500万円もあった。
しかも、妻は私の知らない銀行口座を持っていて、そこに1000万円も預金があった。
日頃は「お金がない、お金がない」と口癖のように言っているのに、全部ウソだったことがバレて、
妻不信に陥り、いつしか修羅場を迎える……ことは十分考えられるのではないか。
マイナンバーが夫婦に危機をもたらすとは、政治家も役人も導入前には想像しなかったに違いない。