1993年から2012年に「月刊アフタヌーン」(講談社刊)で連載され、圧倒的な画力と斬新な殺陣描写で話題を呼んだ沙村広明のコミック「無限の住人」が、木村拓哉主演×三池崇史監督で実写映画化。2017年に公開されることが明らかになった。
【写真を見る】三池監督は、同じく人気コミック原作の実写映画『テラフォーマーズ』(16年G.W.公開)も手がける
97年に第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞し、単行本全30巻の累計発行部数が約500万部を誇る「無限の住人」は、江戸時代の日本を舞台としながら奇抜な衣装や独創的な武器が多数登場する独特の世界観を持つ作品。主人公が不老不死という点からも、実写化は困難とされていたが、今回実現に至った。
木村が演じることになるのは、主人公である不老不死の肉体を持つ侍・万次。木村のキャスティングについて小岩井宏悦プロデューサーは「“死なない侍”という存在が数十年もトップの俳優として色あせない彼の存在感と重なり、アクションを具現化する身体能力、色気、この作品が持つ哲学を支えることができる人間力など、確かに彼しかいない」と、理由を明かしている。
木村にとって本作は、2006年に公開された山田洋次監督の『武士の一分』以来約10年ぶりの時代劇映画の主演作。原作について木村は「好きな世界観。万次を『死ねない』と考えるか、『不死身』ととるかは一線上にあると思う」と作品のテーマに触れ、今回演じる万次については「今の社会では想像できないものすごい<痛み>を背負っているキャラクターなので、思いきりと、バランスの取り方をうまくやらないと、観てくださる方に納得してもらえない」と語った。
また木村は、「今回参加するにあたって三池崇史さんという存在が大きかったですし、映画監督が映画を撮りたいという前提で自分を欲してくれたということが一番大きかったです。映画監督に求められるというのは役者にとって最もありがたいことなので、『三池崇史監督が僕のことを要してくださった』という事実に、自分の中でなんかざわめいた、という気持ちがありました。もちろん自分の“個”はありますけど、現場では監督の求める“素材のひとつ”だと思うので、共演者、スタッフと集中して現場に臨みたいと思います」と、三池監督との初タッグに向けてコメント。そんな木村について三池監督は、「昭和と平成を串刺しにするスーパースター・木村拓哉を用心棒につけた我ら映画界の逸刀流・三池組は世界最強」と語り、おおいに期待している様子だ。
原作者の沙村広明は「原作は22年前に始まった自分の処女連載作品なので、いま読み返せば至らぬ点が山のようにありますが、映画がそれらをフォローし、かつ映画ならではの醍醐味を様々に付加していただければ幸いです。大好きな監督さんと日本最高峰の主演、才能ある様々なキャストとスタッフの力を借り、『無限の住人』に再び命が吹き込まれるのを心から楽しみにしています」とコメントを寄せている。
撮影開始は11月を予定しており、キャスト情報などは今後発表していくとのこと。原作の英語版が2000年にアイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞し、現在までに世界22の国と地域で刊行され人気を博しているだけに、海外も視野に入れた展開にも期待がかかる。【Movie Walker】