【ニューデリー時事】国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は4日、アフガニスタン北部の要衝クンドゥズで運営する病院が米軍に空爆されたことを受け、同市から職員を撤収したと明らかにした。アフガン北部には本格的な医療を受けられる病院が少なく、MSFの病院閉鎖が住民の生活に大きな影響を与えるのは必至だ。
MSFの広報担当者は「クンドゥズの病院は既に機能しておらず、重症患者は全て他の医療施設に移された」と説明。「再開するかどうかのめども立っていない」と述べた。
アフガン治安部隊と反政府勢力タリバンの戦闘が続くクンドゥズでは3日未明、MSFの病院が1時間以上にわたって米軍機の爆撃を受けた。医療関係者と患者ら22人が死亡、37人が重傷を負った。
国際部隊司令官はアフガンのガニ大統領に謝罪。オバマ米大統領は「事件の全容を調査する」と約束した。一方、MSFは「国際人道法に反した唾棄すべき行為」と糾弾した。