「バリカタ」、「ハリガネ」、「粉落とし」、「湯気通し」……これは全て博多ラーメンの麺の硬さを表す名称だ。「バリカタ」は博多弁で強調を表す「バリ」と「硬い」が合体してできた言葉。つまり、とても硬い麺という意味だ。「ハリガネ」は、まるで針金のように硬い麺であることを表している。
「バリカタ」や「ハリガネ」でもかなり硬めだが、「粉落とし」や「湯気通し」はさらに硬い。「粉落とし」は、まわりの粉を落とすぐらいにしか麺を湯に通さないもの。そして「湯気通し」は、麺を湯に通さず、鍋の上で湯気の間をさっと移動させるだけのものだ。ほぼ生状態だが、一番小麦粉の味がわかるのが「湯気通し」ということで、ツウの間では人気……らしい。
■選ぶ麺の硬さと、性格の関係
ラーメンに対するこだわりは人それぞれだが、麺の硬さの好みと人の性格には何か関係があるのだろうか。心理学者の内藤誼人先生に聞いた。
「『噛む』という行為は、心理学的には攻撃行動とされています。ですから、硬い麺を選ぶ人は攻撃衝動があるのだと考えられます。また、性格的に攻撃衝動を持っていなくても、嫌なことがあったりストレスを抱えていたりすると、一時的に硬いものを好む場合があります。逆に、やわらかい麺を選ぶ人は温和な性格で、不満や怒りを抱えていないと考えることができます」(内藤先生)
以前リリースした「心理学者が指摘!飴をボリボリ噛むことの思わぬ効果」でも、「不満や怒りを抱えている人は、飴を噛んでしまう傾向がある」と、内藤先生から聞いた。やはり硬いものを食べるかどうかが、その人のストレス度を計測する一つのパロメーターになるようだ。
そう考えると、結婚相手やビジネスパートナーには、やわらかめの麺を好む人を選んだほうがいいということだろうか。
「そうとは限りませんよ。硬い麺を選ぶ攻撃性の強い人は、基本的に積極性も強いのです。仕事で成功する人も多くいますから、結婚やビジネスにかかわらずパートナーとしてふさわしいかもしれません。逆に、やわらかい麺を選ぶ温和な性格の人は、自ら前面に出ていく気があまりない人が多いのです」(内藤先生)
■噛むことがもたらす効果
内藤先生は『噛む』という行為そのものが持つ“ある効果”についても教えてくれた。
「ちなみに、ラーメンに限らず『噛む』という行動には、ぜひ知っておきたい効果があります。メジャーリーガーなどのスポーツ選手が試合中にガムを噛んでいますよね。あれは、噛むことによって、高まりすぎた攻撃衝動を抑えるためです。アドレナリンが分泌されすぎるとパフォーマンスが下がることがあるので、ガムを噛んで気持ちを落ち着かつかせているのです。逆になかなかやる気の出ない人は、硬い食べ物を噛むことでモチベーションが上がるかもしれません」(内藤先生)
『噛む』という行為が、モチベーションを上げるための手段として使えることが明らかになった。みなさんもやる気が出ないというときには、硬い食べ物を食べてみては?
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●専門家プロフィール:内藤 誼人
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)