「アリさんマーク」で知られる引越社のグループ会社「引越社関東」が労働問題に揺れている。残業代不払いのほか、「追い出し部屋」の存在が明らかになり訴訟に発展。そして今度は、抗議隊への対応が「まるでVシネ」とネット上で話題となっている。
10月1日、訴えを起こした従業員の男性(34)が個人で加盟する労働組合プレカリアートユニオンが、同社前に街宣車を派遣し、抗議活動を行った。その際の動画がYouTube上で公開されている。
抗議隊に「足を踏まれた」と関西弁で恫喝動画は約4分半。「私たちの組合員は今日から復職しています」と街宣車から拡声器で、沿道に呼びかけている。すると30秒ほどのところで、会社ビルから男性数人が出てきて「うるさいがな。うちら仕事してるんですよ」と抗議隊に詰め寄ってくる。
怒声が飛び交う中、しばらくすると一人の男性が、抗議隊に足を踏まれたと激怒し恫喝しだした。
「人の足踏んどいて何ぬかしとんだワレェ!謝ったら何してもええんか?」
「何をぬかしとんやコラァ!」
この男性は過去にスポーツ紙に顔出しで取材を受けており、同社の副社長と見られる。派遣ユニオンの関根秀一郎書記長が「あなたたちの話し方は尋常ではない。まるで脅かしているようだ」と反論すると、副社長はさらに声を荒げた。
「何が尋常じゃないねん! 言うてみコラァ!」
この動画が話題になり、再生回数は50万回を突破。コメント欄や2ちゃんねるなどでは、「まるでVシネみたいです」という書き込みが相次いだ。
社内に「北朝鮮人は帰れ!」「過激派は去れ!」と張り紙「カメラ回ってるのにあの態度ってすごいなぁw」
「キレたら負けだからなぁ。ただでさえイメージ悪いのに、さらに悪くなる」
「こんな×××(編集部伏字)みたいな会社に引っ越し頼みたくない。関西弁でまくし立てるのは、みっともない」
非上場とはいえ有名企業の役員がいきなり出てきて抗議隊を恫喝する姿に、ショックを受けた人も多いようだ。
「普通はまず交渉役の人間が出て行って話す。副社長を筆頭にぞろぞろ出てきて、あんな風に恫喝したらいかんでしょw」
今回訴えを起こした男性は組合加盟をきっかけに、今年6月に営業職から「シュレッダー係」に異動。この命令を無効とする地位確認訴訟を7月に起こしたところ、「会社の名誉を害して、信用を傷付け、莫大な損害を与えた」として懲戒処分となった。
その際、男性の懲戒解雇を告知する「罪状」と書かれた紙が社内に貼られたという。会社はその後解雇を撤回し、男性は10月1日から復職したが、役職は依然として一日中立ちっぱなしのシュレッダー係のまま。会社から謝罪もなく「罪状」も貼られたままだった。
さらにプレカリアートユニオンのブログによると、シュレッダー近くの壁には「北朝鮮人は帰れ!」「過激派の流れを汲むような怖い人は去れ!」という紙が貼られ、その上に男性の顔写真、氏名、年齢が書かれた紙が貼り付けられていたという。
ユニオンは、同社に対し、差別煽動表現をしたこと、男性の名誉を毀損し就労環境を悪化させたことに関して、釈明と謝罪を要求している。
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