水素爆弾を使います。
数週間前、イーロン・マスクがアメリカのテレビ番組「Late Show」に出演したときの驚きの発言を覚えていますか? 「火星をあたためるには? 核兵器で爆破すればいいんじゃないですかね」と言ったんです。と言っても、これは司会者に対する彼なりのジョークというか、明確な構想があっての発言ではないように思われましたが…。
ついに先日、タイムズスクエアで行われた自身が会長を務めるSolarCityのローンチイベントにて、イーロン・マスクは火星に関する計画を明らかにしたのです。
SpaceXの創業者でもある彼がやりたいのは、別に火星の表面を核兵器で爆破することなんかではなく、もっと別の核融合爆弾を使ったやり方でした。核融合爆弾、水素爆弾とも呼ばれますが、これは他のどんな爆発物よりも強い威力を持ち、数秒ごとに空で爆破させることで惑星の各極に一時的な「太陽」を作り出すことができるというのです。
彼は次のように語っています。「つまり何が言いたいかというと、火星の2つの極にそれぞれ小さな脈打つ太陽を持つということです。我々の常識からすれば途方もなく大きなことだが、被災の面から考えると被害は小さい。あくまで太陽は惑星の上に乗っているのではなく、上空に浮かんでいるのですから。」
続けて、「数秒ごとに、巨大な核融合爆弾を極の上に送るんです。」と言っています。また、「多くの人々が認識していませんが、地球を照らす私たちの太陽だって核融合爆弾なんです。」とも付け加え、静まり返った聴衆に語りかけました。
火星を生物が住める環境に変えるために惑星表面を即座に温める方法として、イーロン・マスクが核融合爆弾を使おうとしていることはわかったけど、それを使うといったい何が起こるのか? そもそも火星には、強力な温暖化を発揮するとして皆さんよくご存知の二酸化炭素が多量にありますが、極付近でドライアイスとして閉じ込められています。そこで、極の上で十分なエネルギーを解放すれば、CO2を空中に放つことができ、そのまま大気を温め、空気の循環と温室効果を生み出すことに成功するかもしれない(火星移住に関する詳細はこちらからどうぞ)。
とまあ、イーロン・マスクの口から語られた火星移住化計画。しかし、億万長者が火星の上空で核融合爆弾を爆破し続ける計画を話す様は、大衆の彼に対するマッドな悪役的イメージを確かなものにする結果になってしまったかもしれません。まあ確かに、次から次へと海の上でクラッシュするロケットたちのことを考えると、それも仕方ないかなとも思えてきますよね…。
source: Mashable
Maddie Stone - Gizmodo US[原文]
(SHIORI)