SH田中、チームの刺激剤に=米国戦へ変わらぬ厳しさ―ラグビーW杯 | ニコニコニュース

 【ウォリック(英国)時事】ラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会で、初めて1大会2勝を挙げた日本。3試合で先発出場したSH田中史朗(パナソニック)は「3勝してベスト8という当初の目標が見えてきた。米国戦に集中したい」と意欲を燃やしている。

 田中は初出場だった前回大会で大きなショックを受けた。「日本のためと思って、一生懸命やったつもりなのに勝てなかった。情けなかった」。次のW杯での雪辱を誓い、レベルアップのために南半球最高峰リーグ、スーパーラグビーに日本人選手として初めて挑戦。2013年から3シーズン、強豪ハイランダーズ(ニュージーランド)でプレーした。

 海外で学んだのは選手同士の深いコミュニケーション。代表に戻るとその部分で甘さを感じ、いつもチームメートに対して厳しい言葉を掛ける。「W杯で勝つために、嫌われてもいいから言いたいことを言う」。チームのまとめ役というより、刺激剤としての役割を全うしてきた。

 今大会は初戦の南アフリカから大金星。サモアにも快勝し、日本国内でのラグビーへの注目度が飛躍的に上がった。「ずっと日本のラグビーのために頑張ってきたけど、少し肩の荷が降りた気持ちもある」。そう笑顔で答えつつも、1次リーグ最終戦の米国戦へ向け、「サモア戦の後で少し練習の質が落ちた。そういうところがまだ足りない」と厳しい指摘も忘れない。166センチの小柄な体には、いつも闘志がみなぎっている。