安倍晋三首相が7日に行う内閣改造・自民党役員人事の全容が固まった。加藤勝信官房副長官が1億総活躍担当相、林幹雄衆院議院運営委員長が経済産業相、河野太郎衆院議員が国家公安委員長兼行政改革担当相に内定。法相は岩城光英参院議員、農林水産相は森山裕衆院議員、文部科学相は馳浩衆院議員、環境相は丸川珠代参院議員、復興相に高木毅衆院議員がそれぞれ起用される。国土交通相には石井啓一公明党政調会長が就任する。
首相は内閣の中枢を担う菅義偉官房長官ら9閣僚を留任させる意向で、新たな入閣は10人。初入閣が内定している島尻安伊子参院議員は、内閣府特命担当相としての担務を調整している。加藤氏の後任の官房副長官には、萩生田光一党総裁特別補佐が就く。
首相は6日の記者会見で、改造について「仕事重視、結果第一の体制。しっかり結果を出していける内閣にしていきたい」と述べ、派閥の意向にとらわれず適材適所で人選を進める意向を重ねて強調した。7日午前に自民党の谷垣禎一幹事長ら四役全員を続投させるなどの党役員人事を正式決定。午後に閣僚名簿を発表し、皇居での認証式を経て、第3次安倍改造内閣を発足させる。
加藤氏は2012年12月の第2次政権発足以降、官房副長官として首相を支え、信頼が厚い。林氏は、防災担当相や国家公安委員長を歴任した衆院当選8回のベテランで、先の党総裁選で首相支持をいち早く打ち出した二階派に所属。河野氏は党行政改革推進本部長として「無駄撲滅」を主導、妥協のない改革姿勢で知られる。
馳氏は文科政務官、文科副大臣など文教畑を歩んできた。党環太平洋連携協定(TPP)対策委員長の森山氏はTPP交渉の大筋合意を受けて国内対策を担う。
丸川氏は参院厚生労働委員長、島尻氏は参院環境委員長を務めており、いずれも参院当選2回。首相は政権の旗印として「女性活躍」を掲げており、両氏の起用は女性閣僚として清新さをアピールする狙いがあるとみられる。女性閣僚は留任の高市早苗総務相と併せ、3人となる。
太田昭宏国交相の後任に内定した石井氏は旧建設省出身の衆院当選8回。政策に明るく手堅い手腕に定評がある。