仕事柄、サンプル品として出版社から色んな本をお送りいただくことがあるのですが、中にはエロマンガも含まれます。エロマンガの場合ほとんどは、新刊情報だけをチェックして内容は読まずに倉庫行きとなることが常。
ただこれでは毎度送っていただく、出版社の方に申し訳ないなと思い、ある時期から始めたことがあります。
それは、「エロマンガの擬音種類」の調査。
筆者はエロマンガを読むことはほとんどありませんが、パラパラ目を通すうちに「クパァ」「ビクッ」など多くの作品に登場するワードがあることに気づいたのです。
次第にそれに興味をもつようになり、一体どれぐらいのパターンでこのジャンルは描かれているのだろうと気になりだしはじめ、自分の探究心を満たすことも兼ねてやってみることにしました。
それから送られてくるエロマンガおよび、知り合いに借りた本など約50冊から(同人誌含む)エロシーンの擬音だけを拾い上げてみますと、人気の高い行、そして人気の低い行が見えてきました。だからといって大発見というわけではないのですが、もしかしたらエロマンガ界には役立つノウハウかもしれません。
というわけで集めてみた「エロマンガ」50冊分の擬音リストを大公開。なお、リストはカタカナ表記で統一していますが、実際に使われる場合には「ひらがな」「カタカナ」両方で使用されています。
リストを見てわかるとおり、「ア」「ヤ」「ラ」「ワヲン」の行は人気がありません。「ア」だったりすると「あああああ」「ヤ」なら「やぁぁぁ」と、擬音ではなく台詞で使われることが多く、台詞で使われやすい行からはエロマンガ擬音は誕生しにくい傾向があるようです。
ただ、例外として「ラ」行は台詞でも擬音でもあまり使われません。調べた結果唯一使われてるのが「レロレロ」の表現。筆者が目にした以外で使われているものがあるかもしれませんが、筆者が目にしたものの中にはありませんでした。
使われない理由については、正確にはわかりませんが、使っても「ららららら」「りー」「るるるるる」「ろぉぉぉ」と朗らかになってしまうので、場面的に使いにくいという事情が考えられます。
……、ここまで書いて何ですが、何か私、今すごい無駄なこと真剣に解説してる気がしてちょっとへこみました……。とりあえず気を取り直して、このまま続けます。
逆に人気があるのが「カ」と「ハ」の行。作品の中にはこの2行の中の言葉だけを使って描かれているものすらあります。ちなみに、作家は別でも使われる擬音が同じということも何作かで目にしました。
「クパァ」「ビクッ」はその代表例で「ビュルルル」「ビュブブッ」もいくつかの作品で確認しています。50音レベルでいうと「ヒ」「フ」が特に多くの作品で使用されています。
なお、以下リストは基本中の基本で、実際にはカタカナをひらがなにする以外に、「ビュルルル」ならば「ビュルルルルルルルル」とルを増やしたり「ビュルルル!!!!!」と記号を増やしてバリエーション豊かに使われることがほとんどです。
これをもってどうしろというわけではないのですが、今後同人誌などでエロ作品を描く方には役立つお話かもしれません。以下は多くの作品にある基本中の基本のエロ擬音ですので、いつか描かれる作品のためにお役立ていただければ幸いです。
<エロマンガ50冊から拾い上げた擬音>
■ア
・ヴヴヴ
■カ
・ガクガク
・ガクッ
・ギシッ
・ギュ
・キュッ
・ギュムッ
・ググッ
・グチャッ
・クチュクチュ
・グチュッ
・クパァ
・グボッ
・ゴッ
・ゴボッ
・ゴリッ
■サ
・ジュッ
・ジュルッ
・ズイッ
・ズチュッ
・ズッ
・ズッポン
・ゾクッ
■タ
・タパンッ
・タプッ
・タポッ
・チュ
・ヂュルルル
・ドクッ
・ドビュルウッ
・ドプッ
・ドロッ
■ナ
・ニチャァ
・ニチュッ
・ニャプニャプ
・ヌゴッ
・ヌプッ
・ヌルッ
■ハ
・パン
・ヒクッ
・ビクッ
・ヒクヒク
・ビクンッ
・ビュー
・ビュシュッ
・ビュブブッ
・ビュルッ
・ビュルルル
・プシャアア
・ブジュッ
・ブチュン
・プルッ
・プルン
・ポタポタ
■マ
・ムニッ
・メリメリ
・モミッ
・モムッ
■ヤ
■ラ
・レロレロ
■ワヲン
(文:宮崎美和子)
※「エロマンガの擬音には一体どれだけの種類があるのだろう?調べてみた」はおたくま経済新聞で公開された投稿です