単行本の発行部数が、全世界で3億2千万部以上を記録し、2015年6月に「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネスの世界記録に認定された『ONE PIECE』。その作者である尾田栄一郎の週間スケジュールが仕事漬けであることから、「ブラック過ぎる」と話題になっている。
尾田先生のブラック過ぎる働き方にファン心配『ONE PIECE』は、1997年に週刊少年ジャンプで漫画の連載をスタートして以来、ファンの支持を拡大し続けている超人気作。漫画単行本のみならず、ゲームシリーズや映画シリーズも人気で、グッズ商品やアトラクション施設も展開されている『ONE PIECE』だけに、尾田が本作で稼いでいる額は、もはや常人の及ばぬ領域。一部メディアでは“年収30億を超える”とも評され、「何代も先まで養える」「貯めた金でテレビ局かディズニーランドでも買うつもりか」と驚きを買っている。
そんななか、静岡限定で10月1日に発売したムック本「ジャンプ流vol.3」で、“尾田栄一郎 DAY&WEEK”と題し、尾田の週間スケジュールが紹介された。紹介文の冒頭は、「夜中の2時に眠って朝5時に起き、食事などの時間を除くとひたすら仕事をしているという尾田先生」といきなりショッキングなもの。月曜日から日曜日までのスケジュールは、ネームや下書き、ペン入れ、カラーイラストの制作など仕事でぎゅうぎゅう詰め。激務の様子がうかがえる。
また昨年春には扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)の手術をするなど、以前から満身創痍であることが知られている。ファンからは「おだっち死なないで」「早死にしちゃう漫画家が多い理由、わかったわ」「無理はして欲しくないってのと、早く続きが読みたいっていう複雑な気持ち」と温かいエールや心配の声が出ている。
一方、尾田と同じく週刊少年ジャンプで『HUNTER×HUNTER』を休載中の冨樫義博には、ファンから冷たい言葉が飛ぶ。少年ゴン=フリークスを中心とした冒険を描く同作は、1998年に連載をスタートして以来、『ONE PIECE』とともに同誌の看板作品となった。しかし徐々に休載が相次ぎ、現在も「重度の腰痛(他病気を煩っている可能性も噂されている)」を理由に、2014年夏から長期休載に入っている。
それでも時おり、“冨樫生存”を確認させるニュースが飛び込む。今年8月には、『HUNTER×HUNTER』の2頭身のキャラクターが勢ぞろいした「HUNTERXHUNTER山車」のイラストがツイッター上で公開された。また9月には、週刊少年ジャンプのお色気ヒーロー漫画『レディ・ジャスティス』作者の萩野ケンが、連載終了の運びとなった際、同誌の巻末コメントに「担当伝いに、あの冨樫先生から御褒めのお言葉を授かった…! 」と感動を露わに。もう、連載どころか存在が確認されるだけでニュースになる始末だ。
しかしファンはお冠の様子。「褒め言葉とかいいからはよハンタ描けや!! 」「そろそろ病気治らんの? 」「単行本勢を3年と8ヶ月待たせてる冨樫とか言う漫画家もはよ働け」と怒りまじりの命令口調がずらり。何かアクションを起こすたびに、ファンから「漫画描け」「働け」の大合唱が止まらない。
人気が出るほど読者の期待とプレッシャーが高まる漫画家。心配や激怒の声を受けるのは人気漫画家の宿命か。
(文/蒼木学)