広島市中区の繁華街で8日夜に発生した火災は、出火した雑居ビルと隣接する建物の2棟を全焼、さらにビル1棟を焼き、約9時間後の9日朝に鎮火した。雑居ビルの焼け跡から2人の遺体が見つかったほか、火元とみられるメイドカフェの男性客(36)=同市西区=が搬送先の病院で死亡した。他に女性従業員(21)=同市安佐南区=が意識不明の重体。広島県警は同日午後から現場検証を始め、出火原因の特定を進める。
遺体は男性と女性とみられ、うち1人は連絡が取れない女性従業員(28)=同市東区=の可能性があり、県警が確認を急いでいる。他に女性従業員1人が重傷、男性客1人が軽傷。別の店にいた数人も病院で治療を受けたが、いずれも軽傷とみられる。連絡が取れない客が複数おり、県警は自力で現場を離れた可能性も含め確認する。
県警などによると、雑居ビルは軽量鉄骨2階建て。火元とみられる「黒猫メイド魔法カフェ」は1、2階にあり、遺体は2階から床と一緒に焼け落ちたとみられる。
同店には出火当時、従業員12人と客10人ほどがおり、うち計10人以上が2階にいたとみられる。2階は複数の部屋に分かれており、死亡した男性客と不明の女性従業員らは同じ部屋にいた。男性客の死因は一酸化炭素中毒だった。