徹底比較。あなたに合うのはSurface Book? iPad Pro? それとも...?

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あなたにはどれが向いている?

昨日発表されたマイクロソフトによる「Surface Book」。今までさまざまなメーカーから提案されてきたタブレットとコンピューターの2 in 1マシンの完成形とも呼べるマシンとしてとても注目を集めていますね。

今回はそのSurface Bookがどのようなものか、ハードウェア・ソフトウェア・使い勝手の面で、おそらく同時期に発売になるだろう、タブレットの真打ちiPad Proを含めアップルの製品と比較しつつみていきたいと思います。


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ハードウェア


それでは順番にハードウェアをみていきましょう。

ディスプレイは13.5インチで267ppiの高精細ディスプレイを搭載しています。iPad Proが12.9インチの264ppiで、参考までにいうとMacBook Pro Retinaディスプレイ13インチモデル(以下、13 Retina)が13.3インチの227ppiですから、どれも人間の目に見える範囲ではほぼ違いがない、高精細なディスプレイを搭載していることになります。

プロセッサは正確な数値が公表されていないので定かではありませんが、Surface BookにはCore i5/i7が搭載される予定でここは13 Retinaと同等と考えてよさそうです。RAMは8GBでストレージが128GB〜512GBというのもほぼ同様のラインですね。ちなみに、Surface BookはキーボードにNVIDIAのGPUを別で積んでいるので重いグラフィック作業をするときにはキーボードに接続してやるという対応方法もできるようです。

この点、iPad ProはやはりタブレットなのでA9Xに4GB RAMと数字上では劣りますが、iOS向けのソフトウェアを動かすのでiPad Proは従来のA8Xの1.8倍の速度を有していますから、体感のサクサク感は間違いないでしょう。

重量はSurface Bookが本体のみで約726g、キーボード込みで1.51kg。13 Retinaが1.58kgでiPad Proが713gと、こちらもほぼ同じライン。ポータブルということを考えれば十分に軽量なマシンなわけです。

ソフトウェア


続いてソフトウェアを比較してみましょう。語らずとも明らかな違いは、iPad Proはモバイル向けOSであるiOSを採用している点でしょう。例えば13 RetinaはOS Xですし、Surface BookはWindows10です。

加えていうと、Adobeをはじめとしたクリエイティブツールなどは、iOS搭載のiPad Proで使うのは難しいとも考えられるため、場合によっては不利になることもありそうです。

とはいえ、先日のiPad Pro発表の際にデモで使用された「Adobe Photoshop Fix」が登場するなどiOS向けのソフトウェアはますます充実してきています。画面に直接書き込んだり、タッチ操作に最適化されたUI設計がされているので、むしろ操作や機能感に慣れてしまえばPC向けソフトより使いやすくなる可能性も十分にあるといえるでしょう。

さて、ここまでは一通り基本的な機能面をみてきたので、次は利用シーンを考えて何が重要視されていくのかを考えてみましょう。


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クリエイティブツールとして


まずはクリエイティブ分野です。今回、iPad ProとSurface Book共に専用スタイラスが用意されているので、やはりこの分野で競合してくる可能性は高いでしょう。

スタイラスの性能としてはSurface Bookは1,024段階の筆圧感知で、iPad Proに関してはまだ未知数です。ただ、発表会時のトライオンではかなりよい印象を抱いている人が多く、期待値は高く持ってもよさそうです。

懸念点としては、やはり前述したソフトウェアの部分でしょう。iPad Proを検討している場合は、自分のやりたいことがiOSのソフトウェアでしっかりとできるのかを確認してから手を伸ばしたほうがよさそうです。ただ、タッチ操作を前提に作られたソフトウェア達なので慣れることで大きく化ける可能性も十分にあるでしょう。

大画面のタッチデバイスという新しい操作感に期待をしていくのであればiPad Proはとても魅力的なデバイスになることでしょう。今後、iPad Proを意識したソフトウェアはさらに増えるでしょうし、筆圧感知も含め12.9インチのiOSデバイスに秘められた可能性は無限大です。

逆に、あまり冒険せず従来通りの使い方の延長でいきたいのであればSurface Bookが安定な気がします。液タブ感覚で、従来のAdobeのソフトウェア群などをヌルヌル動かすにはもってこいでしょう。GPUもNVIDIAのものが使えるので性能的にも心配ないですし、さらなる作業効率化という視点では間違いないツールといえそうです。

オフィスツールとして

判断が難しいのがオフィスツールとしてでしょう。さまざまなドキュメントの整理やOffice系ソフトウェアの使用に関しては、iOSもMac/Winもそこまでの大差はないでしょう。

USB機器が使えないのがiPad Proの辛いところですが、それでもアダプタを使えばプロジェクターやディスプレイ類への接続はできるので、そこまで困らないかもしれません。

iPad Proなら、片手に持ってお客さんに見せながら話すという使い方に対して、Surface Bookなら、キーボードを逆向きに開いて置いて見せるという使い方になることが予測されます。iPad Proのほうが見せ方がパーソナルになり相手との距離が近づきますが、Surface Bookなら複数人に説明する場合に有効なように思えます。

どちらの場合であっても、直接画面に書き込んで話を進めることができるので、相手との共通認識を生みやすいという点においてはタブレットはやはりオフィスツールとしては優れているような気がしますね。


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さてさて、ここまで比較してみるとこのSurface Bookの凄さだけでなく、iPad Proをはじめとしたタブレットとともに、それぞれどのような用途で使えそうかが見えてきたような気がしますね。国内での発売がたのしみですね。


source: The Verge , マイクロソフト

(小山和之)