Facebookは拡張現実にも取り組んでいるとZuckerbergが認めた | TechCrunch Japan

「もちろん!」とFacebookのCEO、Mark Zuckerbergは興奮気味に「Facebookは拡張現実(AR)に取り組んでいるのでしょうか?」という質問に答えた。「実現するのはもう少し先のことですが」と彼は、サンフランシスコで開催されたVanity Fair New Establishment Summitで仮想現実の話をしていた時に言った。

Facebookが仮想現実(VR)に取り組む意図があるということは彼らがOculusを買収した時点で明らかだった。彼らはSamsungとパートナーシップを提携し、製品の出荷を始めているし、フラグシップモデルとなるヘッドセットのローンチの準備も進めている。FacebookのMichael Abrashは仮想現実について「成長がさらに加速するカーブの転換点を過ぎた」と言い、もう仮想現実は実現しているとした。しかし、拡張現実については、その性質から新たな課題に取り組まなければならないとAbrashは言う。そのため、実用化までには仮想現実よりもう少し時間がかかるとした。

「とても興味深いと思います。上手く機能するなら、きっと誰もが使うものになるでしょう」とAbrashは言う。「境がなくなるような印象です。コンタクトレンズ型か眼鏡型かもしれません。何かを装着してVRかARを選択できるでしょう。ただ、現時点ではやっとVRが成長が加速する局面に入った所です。ARはさらに難しいのです。全く異なる課題があります。光学をどのように活用し、画像を表示したり、目に写真が映るようにしたら良いのでしょうか。社会生活でも違和感がなく、一日着けていても差し支えがないようなものとはどのようなものでしょうか。VRはもう完成に近づいていると思いますし、将来的にARも実現するでしょう。しかし、そうなるまでには、まだ長い道のりがあると思います」。

拡張現実はFacebookに仮想現実とは全く異なるチャンスをもたらすだろう。FacebookのOculus Riftなど仮想現実の特徴は、その世界に没入するために設計され、ユーザーを現実世界と切り離し、体験する世界だけに集中できるようにするものだ。これは、体感的な時間を提供する。Zuckerbergは例として、家族全員が子どもが初めて歩く様子を見守ることができると説明した。

とても興味深いと思います。上手く機能するなら、きっと誰もが使うものになるでしょう

— Michael Abrash

「Facebookは自分が表現したいことをどのような形でも、どのようなオーディエンスにでも伝えられる方法を提供しています」とZuckerbergは言う。「今後シェアされるコンテンツの中で仮想現実の体感的なコンテンツの割合は増加すると思います。インターネットでのコミュニケーションの面白さの一つは、非同期性にあります。ですがもちろん、外科手術をリモートで行ったりと、その場にいるような同期性が重要となるユースケースも多々あることでしょう」。

一方、ARの場合、ユーザーとユーザーの周りの環境をいかにつなげるかが重要だ。Facebookが製作するARシステムの世界は予想がつくだろう。想像してみてほしい。例えば街を歩いている時にお店に付けられた「いいね!」の数を見たりすることができるだろう。ARとは、ユーザーが見ている世界を拡張し、周囲との環境とさらに関わることを可能とする。Facebookはその技術を活用し全く新しい体験を構築することができるだろう。

拡張現実に取り組んでいるのはFacebookだけではないが、Facebookはこの分野で中核的な存在になる可能性を秘めている。この分野にはGoogleから巨額の投資を受けた拡張現実スタートアップのMagic Leapの存在感が静かにだが確実に増している。そして、Google Glassが直面した典型的な問題も忘れてはならない。Google Glassは新しい技術として受け入れられず、社会の反発にあった。

ZuckerbergとAbrashがFacebookのARの夢に関してわずかしか情報を開示しなかったが、FacebookがVRの先を見越しているという事実は重要だ。彼らの顔認識技術とARを組み合わせることで、多様なユースケースが想定できる。Facebookは人と、その人達が住む世界のことを他のどこの企業より知っていると言っても過言ではないだろう。最終的に、人は端末の画面を見ずとも、スクリーン越しに世界とそれにまつわる情報が上乗せされた景色を見る未来をFacebookが実現するかもしれない。

Zuckerbergは以前、「モバイル端末も、ポケットから取り出さなくてはならないのは少し変だと思います。将来的には、周りを見渡したい時に見渡せるようになるでしょう。何かを選択する場合も、それに見るだけで選択できるでしょう」と説明している。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter