エロマッサージから企業名にまで……中国で「日本皇室御用達」ビジネスが広がるワケ | ニコニコニュース

着物姿の女性が笑顔で微笑む足湯用入浴剤のパッケージ。その手元には「日本皇室」の文字が。
日刊サイゾー

 秋篠宮佳子内親王の美貌に魅せられる「佳子萌え」現象が飛び火するなど、日本の皇室への関心がかつてなく高まっている中国。先日の抗日戦争勝利70周年の軍事パレードには、「日本の天皇を招待すべき」とする声が保守系メディアからも上がったほどだ。

 そんな中、人民の皇室への興味に便乗するビジネスが、ひそかに興隆している。日本の皇室の「御用達」をうたう商品やサービスが、巷にあふれているのだ。

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 中国の最大の検索エンジン、百度(バイドゥ)で「日本皇室」もしくは「日本皇族」というキーワードを打ち込むと、数々の“エセ御用達商品”がヒットする。

 例えば山東省のホテル内のスパが売り出している「日本皇室流」マッサージ。どんな内容なのかと調べてみたところ、ストッキングを履いた女性が足で客の体を踏むという、いかがわしいものであった。

 他にも、着物を着た女性が「日本皇室」という文字を掲げるパッケージの足湯用入浴剤や、「皇室御藥株式會社」が販売する日の丸と怪しげな日本語が描かれた「ハギワラマコト」という名の謎の製品など、勝手に皇室との関係をうそぶく商品は枚挙にいとまがない。

 中国最大のEC 「タオバオ」でも、「日本皇室」というキーワードを含む商品が、600近く出品されていた。

 反日感情が燻る中国では、日本製品の不買運動も散発的に起きている。そんな中、日本皇室御用達をうたう商品やサービスが多数存在するのはなぜか。中国事情に詳しいルポライターの奥窪優木氏は話す。

「皇室御用達を名乗れば売れるからでしょう。中国人にとっては、日本製というだけで信頼がおけるのに、皇室に認められているとなると『なんとなくすごそう』となりますから。君主や貴族を持たない中国は、社会の上層階級といえば品のない成金ばかり。海外の皇族や王族など、品格を備えたやんごとなき人々に、漠然とした憧れを抱いている人も多いです。あの習近平ですら、国家副主席時代に訪日した際、天皇との面会を強く要望し、自らを権威付けしたくらいですから」

 皇族の権威を無断借用するこうした動きが今後もエスカレートするようなら、日本としても対策が必要となるだろう。