中国人に「柄のないシーツある? 」と聞いたら「ない」と言われた15年前、シーツは柄物、一般家庭の天井に電動でクルクル回るシャンデリア調の電灯、中国人は華やかなものが好きなのだと思い込んでいた。ところが今、すっきりシンプルが売りの無印良品が中国で人気を博している。
○海外で一番「無印良品」が多い国
中国版ツイッター「ウェイボー」の中には、「中国(香港、台湾を含む)の無印良品の店舗数は185店舗、日本・中国を除くその他の国の店舗数総計は125店舗、中国は無印良品の海外における主戦場だ(※)」とコメントしている人もいるように、中国には沿岸都市のみならず、内陸部のやや田舎にあたる都市にも無印良品の店舗がある。無印良品は2005年から中国大陸で店舗展開を始め、2013年には100店舗を数えるようになり、今も店舗数を増やし続けている。
たくさんの中国人の友人をもつ人に聞いたところ、「今、40代以上には無印良品の家具や生活雑貨、30代以上は化粧品、若い子には文房具が人気」なのだそうだ。本当にそうなのかどうか、ウェイボーをのぞいてみた。
○「今時の中学生の文房具はみんな無印」
「無印良品のペン大好き」
「無印良品のペンケースをついに購入! 」
「料理好きになってから無印良品のキッチン用品がすごく好きになった」
と、無印良品好きをウェイボーに書き込む人は多い。ただ、ちょっとばかりお高いと思っている人も多いよう。
「無印良品で会計をしていたら、前の人が43元のペンをたくさん買っていた! 私の人生の目標を実現していた! 結婚して! 」
「今の中学生は男女一緒にスタバで宿題。文房具は全部無印良品のだし、サムスンやiPhoneのスマホを使ってる」
「いつも無印良品を通りがかる度に特に買うものはないんだけど、ぶらついてみる。その度に将来の自分の家へのイメージが膨らむ」
ちょっとお高いが、ちょっと頑張ればいつかは手に入れられるというのが、中国人の若者にとっての無印良品のイメージのようだ。
○日本は「シンプルで純粋な物を尊ぶ国」
また、中国ではシンプルな物に対して「無印風」という言葉も使われているように、その風格は広く知れ渡っており、そして、その風格を日本と重ね合わせている人もいる。
「今、思ったんだけど、日本はきっとシンプルで純粋な物を尊ぶ国なんだろうな。無印良品とか宮崎駿の画風とか。日本は私にとって2つ目の憧れの国になった」
無印良品というブランドは、日本という国のイメージをも上げているようだ。
注:無印良品公式サイトによると、2015年2月期における中国の店舗は128店舗、海外店舗の合計は301店舗なので、「日本、中国を除くその他の国の店舗数合計」は178店舗となる)
※写真はイメージで本文とは関係ありません
(奥田真里子)