米国政府、Kickstarterで難民救済へ?

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手段のひとつには違いないんですが。

米国政府はKickstarterなどと提携し、シリア難民のためのクラウドファンディングキャンペーンを開始しました。パートナー企業は他にTwitter、Airbnb、スターバックス、買い物代行アプリのInstacartです。なんとなく今風でちょっと話題にもなっているんですが、政府の仕事はこれでいいのかな、とややひっかかります。

そのKickstarterキャンペーンは、この記事翻訳時点で120万ドル(約1億4000万円)を超える資金を集めてきました。これでさしあたり5000人が寝る場所と当座の生活に必要な物資を手に入れることができます。ただ、シリアの難民は今400万人以上いるんです。

ホワイトハウスはこのキャンペーンをすることで、個人が財布を開けば難民を救えるかのように見せかけています。でもそれでは、問題の核心から目をそらすことになるんじゃないでしょうか。難民となった人たちは行き場を必要としているのであり、一時しのぎではだめなんです。そしてその行き場を提供できるのは、個人でなく政府だけなんです。

オバマ大統領はこのクラウドファンディングキャンペーンにあたり「我々には家を追い出された人たちに対しできることをする倫理的責任がある」と言っています。が、2015年9月の時点で、米国が受け入れたシリア難民は1500人にとどまっています。

米国政府は今回の危機に対し人道的支援を行うため45億ドル(約5400億円)の支出を誓約し、世界から受け入れる難民の数を2017年までに年間10万人に増やすことを決めました。ただ直近はというと、次の会計年度に受け入れるシリア難民の数は1万人と、焼け石に水です。

米国は第二次世界大戦以降、第三国に定住した世界の難民のうち半分を受け入れてきました。が、今回のシリア難民に関しては、受け入れの割合はかなり低くなっています。

もちろん、Kickstarterであれ何であれ資金援助に意味がないわけじゃありません。米国政府としても、Kickstarter以外の施策も進めています。ただ、こういうキャッチーな施策に目を奪われて、本当に必要な対策が忘れられないか、心配です。


Image by Everett Collection / Shutterstock.com
source: New York Times

Kate Knibbs-Gizmodo US[原文
(miho)

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