埼玉県熊谷市で住民6人が殺害された事件で、50代夫婦の殺人容疑などで逮捕された日系ペルー人ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者(30)が、県警の調べに「事件のことはよく覚えていない」などと供述していることが10日、捜査関係者への取材で分かった。

 県警は同日午前、ナカダ容疑者を送検。今後、事件当時の精神状態や刑事責任能力を調べる精神鑑定についても検察側と協議するとみられる。

 捜査関係者によると、ナカダ容疑者は調べに「(夫婦殺害)事件のことや、自分がなぜけがをしているのか、なぜここにいるのかよく覚えていない」などと供述。事件2日前には「人に追われている」と言い残して群馬県伊勢崎市の工場から失踪しているが、熊谷市までの足取りやその後の行動についても捜査で判明した事実関係と食い違う説明をしているという。