デジタル時代に親になった人たちにとってのジレンマかもしれません。
生後4カ月でiPadの画面を見せてもいいのだろうか…でも遠く離れたところで暮らす、おじいちゃんとおばあちゃんにはFaceTimeで孫の姿を見せてあげたい…と迷い、結局ビデオチャットでご対面させている人も少なくないのではないでしょうか?
赤ちゃんたちにビデオチャットを経験させることのデメリットもあるのかもしれませんが、メリットもあるんですよ。実際に、The Atlanticの記者Adrienne LaFranceさんが数人の研究者たちに話を聞いたところ、赤ちゃんは子ども番組に映っているキャラクターと、ビデオチャットで話している相手をちゃんと区別できているそうです。
驚くことに、生後3カ月の赤ちゃんでもすでに、ビデオチャットの相手への感情移入、言葉のタイミングなどを手がかりに対話していることを理解しているそうです。
バンダービルト大学で人間発達心理学の準教授であるGeorgine Trosethさんと彼女の同僚は10年以上、テレビと視聴者との双方向のコミュニケーションに関する長期研究を行なっています。生まれてから1度もテレビを観たこともコンピューターを使ったこともない子どもがいるとします。その子がビデオチャットデビューしたとき、どんな反応をするでしょう?
Trosethさんの研究結果によると、実はそのときの反応や理解を深めるには、子どもと一緒にいる人たちの援助が本当に重要なんだそうです。ビデオチャットを媒介して、経験を形づけてあげる必要があるんです。たとえば、「おじいちゃんだよ~手をふってみて」とあなたが子どもの手をふったら、スクリーン越しのおじいちゃんも手をふってきたり、チュっとキスをしたらキスを返してきたり、これはテレビを観ているときには起こらない経験ですよね。これに言葉を加えると、赤ちゃんはもともと言葉の中に含まれる感情を読み取る力を持っているので、ビデオチャットでコミュニケーションするという経験を特別なこととして理解することができるようになるんだそうです。
核家族化して家族同士が遠くに住むことが多くなってから、ビデオチャットでのコミュニケーションは一般的な方法になりました。
ある研究によると、ワシントンDCに住む2歳以下の孫を持つ人たちの85%はビデオチャットを利用したことがあり、40%の人たちは週に1回は孫とビデオチャットでコミュニケーションしていると回答したそうです。
source: The Atlantic
Alissa Walker - Gizmodo US[原文]
(junjun)