けっこう議論を呼びそう。
とうとうアメリカで公開された、スティーブ・ジョブズの伝記映画「Steve Jobs」。初週末の興行収入が520,942ドル(約6300万円)を叩き出し、今年最高を記録するなど、かなり上出来な滑り出しとなっているようです。
たーだーし、この映画、皆に祝福されて登場したわけではありません。特にジョブズに近かった関係者からはかなり否定的な声も聞こえています。
まず、現アップルCEOのティム・クック氏。
実はその映画を見ていないんだけど、スティーブは素晴らしい人間だったよ。彼は他人には成し得ないことをやってのけたし、変革や未来を描写する不思議な力があった。彼と一緒に働くのは楽しかったし、いまでも毎日彼を懐かしんでいるよ。多くの人が彼を利用しようとするけど、私はそれが嫌いなんだ。
次に、アップルの最高デザイン担当者であるジョナサン・アイブ氏。
僕らはスティーブ・ジョブズのことを覚えているし、彼の人生を祝福しているんだ。映画の中の人物(ジョブズ役)は誰だかわからなかったよ。
さらに、ジョブズの妻であるローエン・パウエル氏は映画の公開を阻止しようとロビー活動を行なっていたことが、ウォール・ストリート・ジャーナルによって報じられています。まだ亡くなってから5年も経っていない故人の生涯を映画で描写するのは、親族にとってはあまりにもセンシティブだったのかもしれません…。
一方、アメリカの劇作家/プロデューサーのアーロン・ソーキン氏からはこんな皮肉めいたコメントも。
だれも金儲けのためにこの映画を作ってはいない。ティム・クックは映画を決めつける前にまず見るべきだ。中国の工場で子どもたちを時給17セントで働かせておきながら、他人を「利用するな」なんて批判すべきではない。
批判も話題性たっぷりのジョブズの伝記映画、日本での公開はいつになるのでしょう。
source: 9to5Mac1、2、3、4、The Verge
(塚本直樹)