日本に拠点を置くLINEは、世界で毎月2億1100万人が利用するモバイルメッセージサービスで、今回ようやくエンドツーエンドの暗号化を実装する。
LINEは本日「Letter Sealing」と呼ぶ新しいセキュリテイー機能で自社サービスのメッセージ及び機能の暗号化を実装すると発表した。最初は、1対1のチャットと位置情報を共有する機能の暗号化をモバイルとデスクトップアプリに導入する。
「このコミュニケーションの通信方法では、チャットの内容を中央サーバーではなくユーザーの端末にあるキーでバラバラにし、解読不能の暗号化を施して安全を確保します。先進のセキュリテイーシステムで、チャットの内容がサーバーやサードパーティによって解読されることは実質不可能です」とLINEの声明は伝える。
この機能を利用するには、会話に関連する全ての利用者が使用する端末の機能を有効にする必要がある。メニューの奥深くにある暗号化の設定をユーザー自身で有効にしなければならならず、この手間は機能の波及に影響があるかもしれない。ただLINEは近々、全てのユーザーの設定を自動で有効にする計画だそうだ。最初はAndroid端末を1台アカウントに登録しているユーザーの設定から自動で有効になるそうだ。LINEのデスクトップアプリや他のOSも直に対応する予定だ。
この対応は必要なものだ。LINEの競合であるWhatsAppやTelegramといったいくつかのメッセージサービスはすでにエンドツーエンドの暗号化を導入している。 LINEはチャットに暗号化のオプションを昨年から導入しているが、それを利用するには別のチャット画面を開かなければならなかった。これでは、広く利用されないことは確実だろう。
LINEは以前、タイ政府とユーザー情報を共有しているとした訴えを否定している。タイはLINEにとって3000万人が利用する2番目に大きい市場だ。エンドツーエンドの暗号化を追加することで、データはしっかりと守られ、安全でサードパーティの手には渡らないと主張する材料になるだろう。
また、このニュースは紙面上では素晴らしく思えるが、セキュリティーに詳しいメンバーはそのセキュリティー対策の穴を見つけ出すかもしれない。
(LINEの暗号化の方法に関する技術的な詳細はこちらから確認できる。)
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