自然体験もハイテクに。
人以外の生き物から見た世界は、私たちが見る世界とは違います。たとえば犬の視界はモノクロに近い色合いで遠くのものをハッキリとは見られません。複眼を持つトンボは、視野角自体がとても広いので、人とはまったく違った見え方をしますし、猛禽類は人間の8倍の視力を持ちます。
そういうことは本や学校などで勉強をしても、実感としては、なかなかピンとこないものですよね。しかし、Marshmallow Laser Feastという団体が、それらを実際に体験できるVRコンテンツ、「In The Eyes of the Animals」を作ったんです。先月に英国のグリズデールという自然公園で開催された「Abandon Normal Devices」というアートイベント内で開催されたワークショップで公開されました。
Oculus Riftを使った専用ヘルメットをかぶった参加者は、飛び回るトンボや地面を跳ねて移動するカエルなど、その森に住む生き物になれます。映像は360度カメラ搭載のドローンを使って撮影されました。さらに、サラウンドヘッドホンとバックパックから伝わる振動で、より「その生き物になった気分」が味わえます。
植物があしらわれたヘルメット状のVRヘッドセット
知識はそれ単体で覚えるよりも、実体験と想像力が組み合わさることで大きな力を持ちます。実世界では体験できないことをテクノロジーで仮想体験させることは、自然科学の教育にも良い影響を与えるかもしれません。
source: Abandon Normal Devices
(高橋ミレイ)