完全な自動運転車の実用化に向けて、一歩ずつ。
テスラモーターズが、昨年9月以降に生産されたモデルS(約5万台が対象)向けに自動運転アプリの配布を始めました。ただし、まだ完全な自動運転ができるわけじゃないようですが。
今回から実装されているのは、「オートパイロット」とよばれるテスラオリジナルの自動運転システムです。車線から自動車が外れないようにコントロールする機能や、追突と側面衝突を避ける自動ステアリング機能、自動駐車機能に加えて、周囲の環境をリアルタイムで認識してパネル表示できるのが特徴。さらに、今後のアップデートで自動車が自分で学習をする機能を追加することも示唆しています。
CEOのイーロン・マスクによれば、技術的な課題以上に壁になっているのが、法律による規制です。一部、実験が認められている地域はあるものの、米国には自動運転車で公道を走れる州がほとんどありません。今回配布されたアプリも、ドライバーが数秒ハンドルから手を離すと、自動的に速度が落ちるようになっています。
制約は多いですが、ようやく自動運転の実用化に向かって一歩前進できたというところでしょうか。今の段階では半自動運転ですが、The Vergeによるとイーロン・マスクは「3年以内には目的地に着くまで寝ていられる、完全な自動運転車を発売したい」とコメントしています。
今後は米国に次いで、欧州やアジアも順次展開していくとのこと。日本での配布も規制当局との折り合いがつき次第のようです。
source: Tesla Motors
(高橋ミレイ)