運転手のいらない自動運転車は、交通事故を減少させるのが目標の1つです。が、いくら自動運転車ががんばったとしても、運転手のいる車のほうからぶつかってこられたらどうしようもありません。
カリフォルニア州DMVが自動運転車の事故についてのレポートを公開しました。それによると、自動運転車での事故の多くは、その原因が人間にあることがわかりました。いくら自動運転車が気をつけたって、人間がぶつかってくるんだもの、とね。しかし、一方で自動運転車は運転が慎重すぎるのも事故の一因だということもわかってしまいました。
今の世の中、人々はすでにある程度アグレッシブな運転状況に慣れて適応しています。そこに新たなドライビングスタイルのヤツがやってくると、それが事故の原因になるわけです。例え、それが安全を最優先に考えた自動運転車だとしても、です。
例えば、2015年4月の事故レポートによれば、グーグルの自動運転車に人間が運転する車が突っ込んでいます。突っ込んだのは、グーグル車が右折時に前進しつつ停車したからですが、なぜグーグル車が停車したかと言えば、交差点近くに他の車を感知したからです。何が問題かというと、自動運転車のコンピューターに組み込まれた何かを察知したら止まるという動きと、角を曲がるときにスピードを少しあげるという人間の動きがマッチしなかったんです。
私たちは、他の車の運転手の動きを見つつ合わせて運転するというのには慣れていますが、その慣れは自動運転車の動きに慣れているとは別の話だということです。これを踏まえて、グーグルは自社の自動運転車の方向性を、人間よりも安全に注意できる動きから、より人間らしい動きへと多少変更していく予定です。
自動運転車、安全に注意しすぎて事故が起きるなんて皮肉なもんですね。それに、人間の運転よりも安全を目標とした自動運転車が、より人間らしく運転するってのも、これまた皮肉なもんですね。
image: screenshot via Google
source: TechCrunch
Kate Knibbs - Gizmodo US[原文]
(そうこ)