セビリアのイシドールス、その名前を聞いてピンとくる人はどれくらいいるでしょうか? イシドールスは、今私たちがほぼ毎日触れる非常に重要なあるものの守護聖人です。そのあるものとは、インターネット。イシドールスは「インターネット利用者およびプログラマー」の守護聖人です。インターネットに守護聖人がいたことすら知りませんでした…。
イシドールスの名が守護聖人として最初にあがったのは、1999年のこと。ヨハネ・パウロ2世がローマ教皇だった時代にカトリック教会からインターネットの守護聖人候補として提案されました。その後、2003年に「インターネット利用者およびプログラマー」の守護聖人として正式に認定。とはいえ、イシドールス自身はそんな認定知りません。彼が死亡したのは636年、インターネットどころじゃない遥か昔の話です。では、なぜイシドールスがネットの守護聖人になったのかというと、理由は彼の偉業にあります。
イシドールスは、全20巻にもなる「語源」という中世最初の百科事典を執筆したのです。ありとあらゆる学問をまとめた、まさに人類の知識のすべてがそこにはありました。知りたいものはすべてそこにあったのです。当時彼が記した「語源」は知の集であり、まさに今のインターネットのようなものです。彼がインターネットの守護聖人なのもうなずけますね。
これだけ偉大で、ネット利用者の守護聖人であるイシドールスですが、残念なことに、ネット利用者からの知名度は高くありません。これをきっかけに知ってください。今、ネットをしているこの瞬間、イシドールスがそこで見守っていることを。
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Matt Novak - Gizmodo FACTUALLY[原文]
(そうこ)