Facebook MessengerのAI/人力ハイブリッドアシスタント “M” は、どのように役立つのだろうか。Facebookの早期テストデータによると、人々はレストラン予約、問題を解決してくれる地元企業の発見、あるいは何かを買うために使っているようだ。
FacebookはMの利用方法について、「今のところ、多くの人々がMを、ちょっとした雑用を頼んだり、困難から抜け出したり、忙しすぎる時の余力拡大のために使っている」と説明した。
パーソナルアシスタント機能は、極く限られたテストグループにのみ解放されているが、このデータによって、人々がMやMagic、Operator等のライバルに何を望んでいるかが明らかになった。しかし、こうしたアシスタントの提供元がユーザーに対して、サービスにできることの範囲を教育する必要性も浮き彫りになった。
8月にThe Informationの速報を受けて、Facebookは同社のMプロジェクトの詳細を正式発表した。Messengerに内蔵されたMは、ユーザーがテキストで送るほぼどんな要望でも受付ける ― オンラインの雑用からリアル世界のサービス予約や購入代行まで。現在、ユーザーからの要望はFacebook社員と人工知能の組み合わせによって処理されている。
将来への希望は、人間がAIにもっと複雑な作業をできるよう教え込むことだ。もしMが成功し財政的にも展開可能になれば、人々の生活に役立つだけでなく、数あるチャットアプリの中でFacebook Messengerへの忠誠度を高めることができる。しかし、もし規模拡大が高くつきすぎれば、Facebookはプロジェクトに大量の資金を注ぎ込むかもしれない。
Mは、人々に代わって購入やサービスの予約を行うことによるマージンで、それ自身利益を上げる可能性を持っている。しかし、Facebookにとってもっと大きな潜在価値は、ニュースフィード広告で豊かな収益を得られるエコシステムに、ユーザーを縛りつけることにある。いずれFacebookは、Mで広告主の商品に関するリクエストを送るよう薦める広告を売ることもできるだろう。
Facebookによると、現時点で最も多いタイプの要望はレストランのお薦めと予約だ。料理の種類、店までの距離、価格帯あるいはレストランのランク等をユーザーが伝えると、Mは要望に沿った店を見つけてテーブルを予約する。
地元検索のリクエストが2番目に多かった。ここではMが、ユーザーの要求に答える地元の店、場所、サービス等を見つけるのを助ける。ユーザーがどこで買えるか、予約を取れるか、何かを見られるかを問い合わせると、Mが道順を教えてくれる。
3番目に多かったリクエストの種類は、購入の支援だ。自分で店に出向いたり、オンライン支払いの手順に沿う代わりに、MがFacebookに登録されている情報を使い、ユーザーに代って支払いを済ませる。こうして、ユーザーには最小限の手間で、欲求を商品の配達へと変えることができる。
他に多かったのは、花や食料品の注文、旅行の計画、天気予報、予定のリマインドだった。
Facebookが発見したMの利用例:
これらは、SMSや普通のチャットアプリに出来ることではない。そして、それこそがFacebookにとって重要だ。メッセージングは、差別化が困難な分野である。
どのアプリも、テキストメッセージだけでなく、写真、音声、ヒデオチャット等永遠に増え続ける新機能に対応している。しかし、Facebookはその膨大な研究開発資源のおかげで、Messngerを不可欠な存在にする方法を見つけたのかもしれない。そしてそれはMという文字から始まる。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)