Facebookは、ハッキング警告の表現を改善すべきだ | TechCrunch Japan

「多くの人々にとってはFacebook〈が〉インターネットである」と言う時、それは「多くのFacebookユーザーはインターネットが何であるかを良く理解していない」という意味だ。インターネットの俗語を浴びせかけることは、彼らを硬直させ無視させるか、ひどく混乱させるだけだ。

だから、もしFacebookからこの通知を受け取ったら、 どんなハッキングの標的を彼らが想定するか考えてほしい。

今すぐアカウントの安全を確保してください。

Jayさん、あなたのFacebookアカウントおよびその他のオンラインアカウントは、”State-sponsored actors”からの攻撃に曝されている可能性があります。ログイン認証を有効にすることで、他人があなたのFacebookアカウントにログインすることを防止できます。あなたのアカウントが、新しい端末あるいはブラウザーからアクセスされた場合は必ず、われわれからあなたの携帯電話にセキュリティーコードを送信し、あなただけがログインできるようになります。他のサービスでも手順を踏んでアカウントの安全性を高めることをお薦めします。〈詳しくはこちら〉

“State-sponsored actors”([国/州]が支援する[集団/俳優])?  どう考えても何が起きているかを明快に説明する言葉ではない。たとえ正確さと簡潔さを求めたのだとしても。

  • 「地元の大衆劇団の誰かが私の写真を見ようとしている?」
  • 「財政支援に関する風刺マンガが私の個人情報を盗んだ?」
  • 「隣の州の変人が私のFacebookプロフィールに侵入しようとしているって?私はケンタッキー人を信用したことがない」
  • 「オバマ!!??!?!?」

これが一部の人々の反応でなかったことを願う。しかし、Facebookについて書くようになってから5年、常軌を逸したデマが飛び交うのを目にし、システムに関する気が遠くなるような誤認識に関わって関わってきた身として、この「警告」が本来最も助けを必要とする人々を混乱させることは間違いないと感じている。

「政府が資金援助しているハッカー」「他国と手を組んでユーザーの個人情報をアクセスあるいは盗もうとしている犯罪者」「悪人たち」。そのいずれもが “state-sponcored actors” よりは明確だ。もちろん 〈詳しくはこちら〉ボタンを押せば追加情報を得られるが、殆どの人はわざわざそんなことをしない。

何をすべきかの助言も曖昧だ。「利用しているアカウントを安全にするための手順を踏む」。これは単に、パスワードを変更して2要素認証があればそれを有効にすると書けば意味が通じるだろう。

今後FacebookやGoogleは、Facebookが今回賢明にもユーザーに利用を呼びかけているログイン認証のような、より高度な保護機能を提供するかもしれない。これは非常に優れた機能だ。それでも、人々に今使っているパスワードを変えさせるのが先決だろう。それは比較的容易で、馴じみがあり、基本的にどのサイトやアプリでも同じように働く。

この問題の核心で、Facebookは正しい行動をとろうとしている。同社の安全なデータベースはこれまでにハックされたことがなく、間違いを犯したこともないにもかかわらず、自らの名声を懸けて、ユーザーが自らを危険にさらしたり、Facebook世界以外からの攻撃の標的にされる可能性を警告している。一部の人々は、たとえFacebookの責任である可能性が低くても、当然のようにFacebookを責めるだろう。しかし、Facebookは能力の限りを尽くして人々に警告することによって、善良なインターネット市民であり続ける。

もう少し人間的な方法をとる必要がある、というだけのことだ。それは、悪質なハッキングにあったユーザーがFacebookに入れなくなったり完全に撤退してしまい、その結果同社のビジネスを損うからという理由だけではない。もしハックされれば、被害者が今後もオープンに他のどんなサービスとも繋がっていたいと考える可能性は限りなく低くなるからだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook