アップル本社の研究所に入れるなんて夢みたい…
アップルはリリース前の製品公開についてあまり積極的でないことで知られていますが、近頃は少しずつ門戸が開かれてきたようです。
運良くアップル本社内でハードウェアの試作品を見る機会に恵まれたジャーナリストのスティーブン・レヴィ(Steven Levy)氏。訪れた音響工学の研究所では指が製品に触れた時に発生する音のチューニング作業を見学することができました。
Mediumの「Backchannnel」の記事で、レヴィ氏は「入力デザインラボ」とよばれる新型キーボードやトラックパッド、マウスなどの試作品を開発する研究所を訪れた際の経験を綴っています。
アップルの人間工学(タイプする時の指をワイアーでつないで筋肉の動きを計測したり)と工業デザイン(MakerBotを使ってた!)への没頭ぶりについても沢山書かれていますが、最もクールなのは、Magic Keyboardのあの独特なタイピング音に関する、Mac、iPad、エコシステムおよびオーディオエンジニアリング部門担当副社長ジョン・ターナス(John Ternus)氏と、エコシステムプロダクト及び技術担当副社長ケイト・バーゲロン(Kate Bergeron)氏の話です。
「正しいタッチを得るには正しいサウンドが必要です」ターナス氏は言います。
ラボには部屋を埋めつくすほどの巨大な無響室があり、その中央にあるアップルが開発したシステムによって、音がどこでどのように発生したのかをマクロで検知できるようになっています。アップルは新型のMagic Keyboardのために膨大な実験を行っています。
バーゲロン氏が言います。「新型と既存製品には構造的な違いがあるので、メカの構造を素晴らしいものにするため、このキーボードについては大変緻密なモニタリングと注意が必要でした。前はメカの構造的に不快な音が出てイライラしました。だから実際にラボに入って、顧客が気にいる音が出るように部品の素材を変えたんです」
トラックパッドのタップ音からマウスのクリック音まで、アップルのアクセサリーが出すサウンドについての秘密が他にもたくさんMediumの「Backchannnel」の記事では書かれています。なんだかキーボードをパチパチ、タイプする音を聞くのもありがたく感じちゃいますね。
こういったこだわりは製品全体でみると目に見えない小さな要素ですが、実はMacをMacたらしめる重要なディテールなんじゃないでしょうか。
source: Backchannel
Alissa Walker - Gizmodo US[原文]
(TOMOYOSHI)