「結婚式離れ」が取りざたされる要因の一つに「お金がかかりすぎる」という経済的なものがあるが、一部には「招待客を呼べるのか」ということをハードルに感じる人もいるようだ。
ある男性ツイッターユーザーが10月18日、結婚式は「勝者の特権」であると投稿した。この男性は、最近はじめて知り合いの結婚式に参加。式に参加したあと、フォロワーに「今回結婚式に参加して分かったこと」を報告している。
「友達との写真」「親からの愛にあふれたスピーチ」に震撼「結婚式は両親から深く愛され、小中高大どの時期でも多くの友達に囲まれ、立派な企業に就職してその就職先でも良い人間関係を築く。そんな人生一度も負けたことがない人間だけが開ける勝者の特権である」
そう思うに至ったのは、披露宴の定番である主賓のスピーチや、新郎新婦の成長過程のスライドショーや余興にあるようだ。
「新郎新婦のこれまでの映像でどの時代も友達と一緒にいる写真がある! 親からの愛に溢れたメッセージがある!スピーチを頼める立派な上司がいる! 二次会を開いて会場一杯に集まる人望がある! そして凝った余興を開催してくれる友人がいる! オタクのみなさんこれら全部できますか? できるんですか???」
式自体はとても良かったようで、投稿主は感化され、「5分に1回『はぁ…結婚したい』と独り言つぶやかないと気が済まない丸の内OL体質」になってしまった。結婚することがあったら式を開きたいというが、実際の知り合いでは人が集まらないのではと危惧し、「フォロワーのみんなを呼びたい」と投稿している。
平均招待人数は72.5人、非リア充には「無理な話」なのかこの投稿には「痛いほどわかる!」「同感。勝ち組でないと結婚できないと思う」と賛同の声が寄せられた。特に共感を集めた点は、やはり呼べる人がいないという点のようだ。
「えらい納得。負け組真っ只中だわー。コミュ障な自分は納得するしかないわー」
「結婚式、同窓会、成人式…非リアには無用であり、辛い行事でしかないです」
「小中高大8割ぼっちの僕には無理な話でした」
結婚情報誌ゼクシィの調査によると、結婚披露宴への招待客人数の平均は72.5人。新郎新婦側で同じ人数を招待するとしたら、それぞれ36人程度声を掛けることになる。また、招待客の傾向としては「親族」が年々減少しており、代わりに「学生時代の恩師・友人(勤務先以外)」が増加しているという。
確かに、あまり知り合いがいないのであれば、招待客に悩んだり、結婚相手にも呼ぶ人がいないと伝えられず、式自体を尻込みしてしまうという人もいるのだろう。
「結婚式に呼ばれるだけで勝ち組」という意見も一方で、学生時代の友人や会社関係など、広範囲の招待客を呼べなくても問題はない、とする意見もある。結婚式を挙げる全ての人が、交友関係が広いわけではない。「会社の人がいない披露宴も、一時期の友達が抜けてる式もゴロゴロある」というのだ。
一般的な形にこだわらず、自分たちらしい式を挙げれば良いのではとの意見も少なくない。「なぜ定形通りの結婚式を開く前提なのだ?」という疑問も出る。
非リア充のオタクなら少人数のオタク仲間だけを集めて楽しい結婚式をすればいいし、最近は式を親族だけで挙げて、友人向けには簡単なパーティを開くだけ、といったことも珍しくない。そもそも、式自体は2人でも上げられるのだから、手間のかかる披露宴などは全部すっ飛ばしても「二人で幸せならOKなのに」というのだ。
もっとも、「結婚式は勝者の特権」と投稿した男性も、そこまで卑屈になることはないのかも知れない。はてなブックマークには
「結婚式に招待されてる時点で勝ち組じゃないか!同級生たちがどんどんと結婚していくけど自分は一度も招待されたことがないぞ!」
というコメントも寄せられていた。
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