現在フジテレビ系ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』に出演している俳優の古川雄輝が、アイルランドの鬼才マーティン・マクドナーによる戯曲で主演を務めることが分かった。
本作は1930年代、アイルランドのアラン諸島のひとつイニシュマン島を舞台にしたブラック・コメディ。英国の劇作家であるマクドナーが1996年に発表した作品で、今回の日本公演では2014年の読売演劇大賞大賞・最優秀演出家賞をW受賞し注目を集める森新太郎が演出を担当する。
古川が演じるのは、左手と左足が不自由で赤ん坊の頃に両親を亡くし、島で小さな店を営むケイトとアイリーンという2人の中年女性を親代わりに暮らしている青年・ビリー。大人しく理性的な青年だが、身体的特徴から周りの人に変人扱いされ「クリップル(障害者の)ビリー」と呼ばれバカにされる。
共演には、美人だが異常に暴力的で口の悪い少女ヘレン役に鈴木杏、その弟バートレイ役に柄本時生がキャスティング。ほか、山西惇、峯村リエ、平田敦子、藤木孝、江波杏子らが出演する。
ある日、隣の島・イニシュモアでハリウッド映画の撮影が行われるという大ニュースが飛び込んでくる。ヘレンとバートレイは映画出演のチャンスを得ようと無口な寡夫の漁師バビーボビーに頼み込んで舟を出してもらうことにするが、その話を聞いたビリーは自分も一緒に連れて行ってくれと言い出す。映画に出演するということは、この退屈な島から抜け出す大きなチャンスだった。ヘレンとバートレイは大笑いし、バビーボビーにも断られる。しかし、彼は切り札として一通の手紙をバビーボビーに見せる。その手紙を読んだバビーボビーはビリーをイニシュモア島へと向かう舟に乗せるのだった…。
『イニシュマン島のビリー』は東京・世田谷パブリックシアターにて2016年3月25日から4月10日まで上演。