宅配便の再配達が、労働力やエネルギーの大きな損失になっているということで、国土交通省は2015年6月から3回にわたり「宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会」を開催。その後、発表された報告書の内容が、ネット上で議論の対象となっている。
報告書によると、宅配便の再配達によって、営業用トラックの年間排出量の1%にあたる年約42万トンの二酸化炭素(山手線の内側の2.5倍の面積のスギ林の年間の吸収量に相当)が発生しており、労働力としては年間1.8億時間(約9万人分の労働力に相当)が費やされているという。
報告書では、再配達による社会的損失を解消するために、
・1回目の配達で受け取った場合に、何らかのポイントを付与
などといったアイデアが提唱されている。
ネット通販の普及で宅配便の利用が増えるなか、再配達に悩んでいるのは、宅配業者も消費者も同じこと。今回の報告書について、ツイッターでは、
「時間指定してもその時間帯家で待機しているのがわずらわしいので、都合のいいときに受け取りに行けるコンビニ受け取り派」
など、再配達防止のための議論がなされている。
また、意外と多かったのが再配達を有料化すべきだという意見だ。
「宅配業者の労働力を考えると個人的には自分で頼んだものの再配達は有料でいいと思っています」
と、1回目の配達を時間指定にしたうえで、再配達には手数料が発生するシステムを提案するネットユーザーも多かった。
とはいえ、単純に有料化すれば、あらゆる問題が解決するともいい切れず、まだまだ議論が必要だといえそうだ。
※当記事は2015年10月19日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。