テクノロジーの進歩だけじゃありません。そこには、シンプルな考え方があるようです。
ビジネスとしてまだまだ成長余地がある、といわれる農業。この50年のあいだ、世界の食糧生産量は着実に伸びています。ただ最近の調査によると、20年前からは新たに農地を拡大することなく、その生産性を伸ばしているようです。それってなんだか良さそう。でも一体、どうやって...?
そもそも農業の基本は、どこで・何を・どのくらい植えて、どう収穫するか。
そうなるとより多くの作物を収穫するのに必要なのは、より多くの土地、より多くの労働力、より多くの太陽の光と水と豊作を祈る儀式と...? お気づきの通り、なんでも多く取り入れることが最善だとは限りません。とはいえこれらが、より多くの収穫を得るための選択肢だった時代も過去にあったはず。
さて、TFP(全要素生産性)の改善を示すグラフ内緑色部分にご注目あれ。これは、土地や労働力、機械などのリソースを増やすことなく生産性が向上していることを表しています。
より多くの土地でより多くの収穫を目指していた40年前に比べて、現代は基本的に農地拡大を目指すことよりも、より良いものをつくることに集中する農家が増えているのではないかと考えられています。
もちろん当時と比べて現代は、時代背景も生活スタイルもガラッと変わったのは間違いありません。ただ、全体的な農業成長率は変わらず、10年ごとに約2%、しっかり伸び続けているようです。
テクノロジーの進歩は当然あるとして、生産性向上の背景にあったのは、農業のメソロジー。時代とともに変わりゆくものと同時に、人類と農業の長い歴史のなかで変わらないものが存在するのは、人間にとって農業が生活する手段であり、食を楽しむ文化の畑であるから、かもしれませんね。
Chart: USDA / ERS
Top image: prudkov / shutterstock
Ria Misra - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)