映画『アイアンマン』に感化された子どもたちの多くはきっと、アイアンマンが小気味良く手のひらから放つリパルサーレイを撃ちたくてたまらない気分になるだろう。そんな子どもたちの夢を叶えるオモチャが登場したという。
■「Playmation」の第一弾のスターターパックが登場
入場料や駐車場料金の値上げのためか、入場客数は微減しているという東京ディズニーランドだが、一方で本家ディズニーのキャラクター事業は話題が尽きないようだ。
先頃、米ディズニーはこれまでにないウェアラブルなハイテク玩具シリーズ「Playmation」の第一弾のスターターパックを発売。まずは『アベンジャーズ』などに登場するアイアンマンの気分を子どもたちに満喫してもらおうということらしい。
スターターパックの内容は、片方の腕に装着するアイアンマン仕様のガントレットに2台の小型フィギア(キャプテン・アメリカ、アイアンスカル)と「パワーアクティベーター」という台座が2台という構成で、それぞれ単三電池で作動する。ではこれでいったいどうやって遊ぶのか。
まずこのガントレットを腕に装着し台座とスマホを専用アプリ(iOS版のみ。Android版は近日リリースとのこと)に連携させ、ミッションを選択。予め25種類のミッションが用意されているが、今後はアプリを経由して新たなミッションが随時提供されるということだ。
部屋の任意の場所にこの2台の台座を置きその上にフィギアを乗せれば舞台は完成する。そしてシナリオをスタートさせると、ガントレットから音声で「隠れろ!」や「避けろ!」などの指示が出され、声に従いながら次々に課題をクリアし、最終ボスのフィギアをパルサーレイでやっつけるのだ。
「Playmation」公式サイトでは複数の紹介動画で遊び方が解説されている。「アベンジャーズがキミの助けを必要としている!」と、子どもたちの義勇心を鼓舞する演出も心憎い(!?)。ともあれビデオゲーム全盛の今の時代に、実際に身体を動かして遊ぶこのハイテクなオモチャは確かに新鮮かもしれない。
■子どもたちをスクリーンやディスプレイから“解き放つ”遊び
「このゲームシステムを思いつき、開発には多くの時間を費やしましたがそれはとても価値のあることだと自負しています」と、製品開発を担当した副社長のマイク・ゴスリン氏は「Polygon」の取材に応えている。
ガントレットに装備されているスピーカーは、まるで『アイアンマン』に登場するしゃべる人工知能の「ジャーヴィス」のように、最初にスイッチを入れたときにプレイヤーに操作方法を説明してくれるということだ。もちろんガントレットのフィッティングは調節が可能で、小さな子どもから大柄な大人まで問題なく装着できるという。
そしてこの「Playmation」の設計思想は、現代の子どもたちを“解き放つ”ことにあるということだ。
「ディズニーはスクリーンやコミックスに多くのキャラクターを様々な形で登場させてファンを魅了していますが、私たちは活発に動き回って楽しく遊ぶ子どもたちの姿を見て、今回の商品開発で何をすべきかがはっきりしたのです」と前出のゴスリン氏は語る。子どもたちの遊びでさえ、スクリーンやディスプレイを眺めることに偏っている現状に対して、この「Playmation」は別の選択肢を提供するものでもあったのだ。
ちなみにこのスターターパックの価格は119.99ドル(約1万4000円)。第一弾はこの『アイアンマン』だが、今後は『スター・ウォーズ』や『アナと雪の女王』の「Playmation」が発売を控えているということだ。残念ながら日本版の発売はなさそうだが、今後のシリーズ展開が大いに気になるところだ。
(文/仲田しんじ)
【参考】
・Polygon
http://www.polygon.com/2015/10/8/9479303/Disney-marvel-frozen-star-wars-playmation
・「Playmation」公式サイト
http://www.playmation.com/avengers