割れ方に違いが?
風船が割れるとき、意外にも複雑な動きをしているようです。最新のハイスピードカメラで撮影された映像では、風船の割れ方にどうやら2パターンあることがわかりました。1点から綺麗に開いて割れるパターンと、たくさんのヒビが入ったように割れるパターンです。これは風船の表面にかかる圧力の違いによって起こるものだと思われます。
パリ・ディドゥロ大学の研究チームが気象観測気球を使い、高所での風船が割れる瞬間の映像を撮影することで割れ方の研究を進めてきました。実際にどうやるのかというと、様々な厚さのゴム製のシートを、様々な張力で固定し、尖った張りに触れたら弾ける程度にまで膨らませるのです。
研究を進めるうちに、風船の割れ方は圧力の違い、つまりその厚さの違いによって起こる風船表面の物質にかかる張力の違いによって変わってくるのだということがわかりました。圧力が低い場合、ひとつの割れ目しかできず、針が刺さった箇所から綺麗に広がって割れていきます。一方で圧力が高い場合、一点からたくさんの亀裂が一気に入り、割れていきます。二種類の動画からその違いがよくわかりますね。
科学雑誌New Scientistに研究チームが説明するには、この違いは、風船が限界応力(物体が外力を受けて破壊されずに耐え得る最大限度の応力)に達するまでのスピードの違いに起因している可能性があるようです。
亀裂が音の速さで入って行くとき、亀裂の前に物質はその速さについていけず、圧力および物理的な特性を再構成することができない。結果、状態を保つことができず、たったひとつの亀裂がそのまま入って行くのだ。
この発見によって、材料科学者たちが新しい材料、例えば破砕がより予測可能になるものなどを生み出すことができるようになるかもしれません。
source: Physical Review Letters via New Scientist
Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]
(SHIORI)