タブーに触れちゃったか…。
駐車違反の切符、うんざりですよね。わかっていてやっちゃうこともありますが、たまに標識がなかったり、間違っていたり…ということもあります。そんなときのために、昨年リリースされたのが、アメリカの一部都市で交通違反の違反金支払いに対して異議申し立てができるアプリ「Fixed」。しかしこのFixed、一部の都市の不興を買って、サービス中止に追い込まれてしまいました…。
現在、サンフランシスコ、オークランド、ロサンゼルスで、Fixedの駐車違反異議申し立てサービスが遮断されています。これら3都市が違反切符のバックエンド処理を委託しているゼロックスのシステムが、Fixedからのアクセスを受け付けなくなったのです。Fixedいわく、このゼロックスの対応はサンフランシスコ市営交通局(SFMTA)によるものだそう。テッククランチによると、サービス遮断に至る前にはこんなやりとりがあったようで、両者の軋轢は無視できないものになってしまっていたのかもしれません。
当然のことながら、法の抜け穴に入り込んで違反金を払わなくてよくなるようなアプリを、自治体が歓迎するわけがありません。昨年、FixedがSFMTAへFAXで書類を送るようにした際、SFMTAはFixedに対し、FAXを使うのをやめるようにメールを送りました。FixedがFAXで送るのは合法だ、と言い張ったところ、SFMTAはFAXの電源を落として書類を受け取れないようにしたのです。
Fixedは利用者が「これは間違っている」と思った交通違反に対して異議申し立てをしやすくしただけで、なにひとつ違法なことをしたわけではありません。それどころか、異議申し立てをして結局認められなかった件について、違反金を支払うサービスも提供しています。とは言え、駐車違反は市にとって大きな収入源でもあります。サンフランシスコの駐車違反の罰金は全米一高いと言われていて、1件あたり74ドル(約9,000円)。その収入は年間1.3億ドル(約157億円)にものぼります。金づるを減らされまいと、SFMTAが戦う理由もわからないでもありません。
Fixedはサンフランシスコ、オークランド、ロサンゼルスでの駐車違反への異議申し立てサービスを中止しましたが、そのほかの交通違反についてのサービスは継続中です。それも当局が口を出してくるまで…かもしれませんが。
source: Naked Security, TechCrunch
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(conejo)