最先端テクノロジー + 最新ファッション=???
アップル社のJony Ive氏は、今年就任したばかりのCDO(最高デザイン責任者)。そんな彼と肩を並べるのは、有名雑誌VOGUEの敏腕編集長であるAnna Wintour氏、そしてメトロポリタン美術館アート衣装研究部門でキュレーターを務めるAndrew Bolton氏です。
ウォールストリートジャーナル紙の最新インタビューによると、業界トップレベルのビジネスパーソンであり文化人でもある彼らがアップル本社に集まったのは、ファッションと現代技術の内なる関係について議論するため。つまりは、アップルがスポンサーとなって開催されるファッションイベントの打ち合わせのためなのです。
来年5月、ニューヨークのメトロポリタン美術館で行なわれるのは、"Manus x Machina: Fashion in an Age of Technology"とよばれるイベント。
ファッションにおけるデザイン技術の伝統とモダンの融合というテーマの通り、予定されている展示は3Dプリンタをはじめレーザーカッティング、サーモシェイピングやサーキュラーニッティングなどのモダンな技術が100以上。さらには刺繍、レースワークやレザーワークなどの伝統的なクラフト技術のワークショップも予定されています。
背景には、"アヴァンギャルドなデザインは、ハンドメイドとテクノロジーメイドのどちらからも生まれるものだ"というコンセプトがあるようです。アップル社Ive氏は、「ハンドメイドに内在的価値があるとか、機械によって生産されたものには価値が欠けているといった考え方は完全に誤りだ」と語ります。ちなみにデジタルな世界に身を置く彼もまた、日常業務の中では毎日、紙とペンが欠かせないのだそう。
テクノロジーの枠を越えていくアップル。テクノロジー時代のファッションに注目が集まるなか、VOGUE編集長のWintour氏は、オートクチュールの普及をはじめ、オンラインショッピングがファッションの"民主化"に役立っていることや、アップルはファッションの歴史のなかであらゆる形で発展に寄与していると指摘。
これまではファッショナブルな製品を世に送り出してきたアップルが、最近ではエルメス・コレクションのApple Watchといい、ウェアラブルなファッションの一部に採用されつつあるのもたしか。「製品がもっとパーソナル化してくると、手首に身につけているものがファッション空間に繋がる。この考えはいずれ未来の製品として形になるだろうし、それはまだ始まったばかりだ」とIves氏は今後のビジョンを語っています。
アップルが仕掛けるファッションとテクノロジーの融合。その先には、どんな未来が待っているのでしょうか。
source: Apple insider,WSJ
(Rina Fukazu)