世の中には変わったものを売る自販機が存在する。「お米」の自販機や「傘」の自販機、兵庫県豊岡市には「手提げカバン」の自動販売機があったりする。それぞれに個性的だが、「焼肉のタレ」の自販機はその中でも群を抜くオリジナリティを誇っている。
「焼肉のタレ」の自販機が存在するのは、神戸市長田区にある「平沼商店」の脇である。この「平沼商店」は新鮮なお肉を売る精肉店なのだが、店の横に設置された「焼肉のタレ」の自販機が噂を呼び、ちょっとした観光スポットになっているのである。
その珍しさもさることながら、実際に相当美味しいタレだと聞いたので買いに行ってみた。
■受け取り口にドスンと落ちてくる焼肉のタレ
住宅街の一角の「平沼商店」。以前は焼肉店も併設されていたのだが、現在そちらは休業中だという。
お店の横に「焼肉のタレ」を売る自販機があった。
「普通たれ」と「あまくちたれ」が630円、「からくちたれ」が660円となっている。硬貨を投入し「普通たれ」のボタンを押すと、ゴトッと重たい音がして、プラボトル入りのタレが出てきた。
持って帰って早速使ってみた。「平沼商店」のタレはお肉に絡めてから焼く「もみだれ」に最適だそうなので、その通りにお肉を焼いてみたが、これが信じられないぐらい美味しい。スーパーのそれほど高くないお肉が一気に焼肉屋さんの味になった。ニンニクの風味と、後味のピリッとくる辛みがたまらない。ご飯に少しかけて食べるだけでグングン食べてしまう美味しさ。
■自販機での販売を始めた理由
後日、お店の方に電話でお話を伺った。自動販売機でタレを売り始めたのは阪神・淡路大震災の後、20年前のことだという。
「それまでも店頭でタレを売っていたんですが、お客さんから『タレだけ買うのはちょっと申し訳ない』という声があって、自販機なら気兼ねなく買えるかと思って始めたんです」
物珍しさもあって評判になり、年間2,000本以上も売れている。特にバーベキューシーズンは人気だとか。美味しさの秘訣について伺うと「唐辛子をはじめ、いろいろな調味料を配合して味をつけています。焼肉店でも使っていたもので、ご家庭で本格的な味が楽しめます」という。
前述の通り「もみだれ」として使うのがおすすめだが、「ニンニクの効いたつけだれとしても使っていただけます。野菜炒めの味付けにも使えますし、韓国風の鍋ですとか、焼きうどんに入れても美味しいです」とのことなので、アイデア次第でさまざまなレシピに応用できそうだ。
「平沼商店」へは、山陽電気鉄道・阪神電気鉄道の「西代駅」が便利。徒歩7、8分の距離なのでぜひ絶品の焼き肉のタレを買いに行ってみて欲しい。
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