文・取材・撮影:編集部 ミル☆吉村
●「あなたが燃えている場合は1を、操作盤が燃えている場合は2を押して下さい」
あなたはキリガン・インダストリーズの新人オペレーター。宇宙に配属され、たくさんのよくわからないボタン、スイッチ、パッチパネルが配置された軍事衛星の操作盤の前にいる。配属早々にトレーニングなしで放置されてしまい、目の前のパネルの数値やボタンの意味は一切わからず。そこで目に飛び込んで来たのが「困った時は社内カスタマーサポートまで電話を!」の文字。よし、ダメ元でかけてみるか……。
キリガン・インダストリーズの『Operator』は、地球目掛けてミサイルを発射するために、カスタマーサポートに電話をかけて、操作盤のボタンを押したり配線を切り替えたりして頑張るシミュレーションゲーム。現在南カリフォルニアのカルバーシティで開催中のゲームイベント“Indiecade”に出展されており、スキモノな諸氏の注目を集めている。
Indiecadeのデモは電話型の周辺機器付きで、実際に受話機を持って案内を聞きながらのプレイとなるのだが、もちろんすんなり案内してくれるわけがない。ゲームのキモは、カスタマーサポートで不条理にたらい回しにされるあのイライラ感だ。自動応答サービスにまわされて「火事などの緊急事態の場合は1を、トラブルシューティングを要望する場合は2を押してください」とか言われるのに対して「うーん、緊急事態だけど、どっちかっつうと2だな(ピッ)」と進めていくハメになる。
やがて本当に火事になったりして大変だっつうのに、「わかりました、火事の件ですね。あなたの身体が燃えている場合は1を、コンソールが燃えている場合は2を押してください」と聞かれるブラックジョーク的シチュエーションに突入。「自分が燃えてる時に電話しねぇだろ! こっちは急いでんだよ!」とブチ切れながらも、「2(ピッ)」と押すしかないのが哀しい。
ちなみに「このゲームにとって電話は重要だけど、なくても遊べるよ」(開発メンバー談)ということで、マウスで電話も操作できるバージョンも存在。というか公式サイトでWindows版とMac版のプログラムが公開されており、近日中にIndiecade版相当の内容とプログラムを差し替えるとのことなので、気になった方は公式サイトをチェックしてみてはいかがだろうか。